怪談コンテスト ページ1
｢私ね、怪談コンテストに応募しようと思うの。｣
怪談コンテスト…ありきたりな名前だが、面白そうだと思い、私は応募したのだ。
それを友達の凛に言った。
｢怪談コンテスト…？｣
凛は不思議そうに私を見つめる。
私はそんな中、連絡袋に入れていた怪談コンテストのちらしをだすと、瑞希に見せた。
｢あー…、千咲、怪談…ってか、怖いの好きだもんね、応募するんだ。｣
｢そうなの、応募するんだけど…なにか、怖い怪談ない？｣
｢怖い話かぁ…そんなに怖い話じゃないけど…｣
｢うん、いいよ、話して。｣
｢これはね、昔お姉ちゃんから聞いた話で…｣
そういうと、凛は話し始めた。
ーーーーーーーーーーーーーー
いつもの様に交差点を歩いていると、1人で突っ立っている人がいた。
何をしているんだろう、と思いながらも通り過ぎて行く。
すると、独り言のように何かを呟いていた。
(…なにを言ってるんだろう、)
そんな考えをしながら、交差点を渡り終えた。
次の日も、また同じように交差点を歩いていた。
信号で待っていると、昨日の突っ立っていた人が私の隣にいる。
｢…く…に｣
(くに？国ってこと？)
と思ったが、気にしないでまた交差点を渡り終えた。
そのまた次の日。
いつもの様に交差点を渡り終えると、その渡り終えた先に突っ立っていた人がいた。
｢見えてるくせに…｣
昨日は聞こえなかった囁きが、はっきりと聞こえる。
そう、あの時ずっと言っていた言葉は、
見えてるくせに、と言っていたのだ。
急に寒気が襲ってきて、すぐさま私は逃げるようにして歩いた。
ーーーーーー
｢…ありきたりだね、｣
｢ほら、言ったでしょ。あんまり怖くないって｣
｢うーん…まぁ、そうだけど。ねぇ、他にない？｣
｢うーん…ない。｣
｢けど、提案ならあるよ。｣
｢何？｣
｢怪談を試したらいいんだよ｣
試す？怪談を？
…一体、どうやって試すつもりなのだろうか。
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