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それから私はネットサーフィンに夢中になり、気が付くともう外は暗くなっていた。
……しかし、キッドの情報はそこまで多く得られなかった。
新しい情報としては、盗んだら必ず屋上へ行く、ということだけ。
欠伸をひとつだけしてから、6時半を示す時計を見て着替えを始めた。
.
「快斗〜!遅刻!!」
プンプンと怒りながら言う青子ちゃん。
青子ちゃんが一番早くて、二番目に私……ちょっと遅れて黒羽くんが来る、という流れだった。
「わりぃわりぃ!いろいろ準備してたら遅くなっちまった」
「準備?」
準備って何だろう?
疑問に思ってそう聞くと、黒羽くんは慌てた顔で手を振った。
「あ"、いや……怪盗キッドの写真撮るための準備!」
あ、なるほど……
黒羽くんはキッドのファンだったもんね。
近くの美術館への道のりは、黒羽くんが怪盗キッドについて語り尽くしてくれた。
青子ちゃんは呆れ顔で、少し先を歩いている。
……つまり、今私の隣には黒羽くんがいるってこと。
すぐ横を見て少しだけ視線を上げれば、そこには黒羽くんの整った顔。
隣に黒羽くんがいると意識すれば、今にも心臓が飛び出そうだった。
そして……
「ん?俺の顔に何かついてる?」
無意識に、見つめてしまっていたようで。
恥ずかしさのあまり、体中の熱が顔に集まるのが分かる。
「なんでも、ないよ……」
目が合った高揚感と、なんだかよく分からない胸の高鳴りのせいで、私の顔はきっと紅く染まっているだろう。
「そうか…………でな!怪盗キッドはすごいんだぜ!」
そしてまた、怪盗キッドのことを自分のことのように自慢げに語る黒羽くん。
その顔は、月明かりに照らされてとても輝いて見えた。
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時