Episode TOW-4 ページ9
女の子と会っちゃったから、Steiffなら変なのないよねってテキトーに選んじゃったから、少し心配だったけど、限定のやつならプレゼントとしては良かったんじゃない？
値段？ お会計はぬいぐるみを抱えて、サービスカウンターに行って
「烏丸 Aです。いつもお世話になっております」
って言うと、そこにいた、お姉さんは血相を変えて、ちょっと待っててね、と言い残してすごい勢いでどこかへ消えてしまう。
私は側から見ると、迷子の女の子状態。
実際、何度か、何人かの人に声を掛けられた。
「おじさんと行こうよ。美味しいもの食べさせてあげる」
「その、持ってるの、買ってあげるよ。おいで」
「迷子？ 大丈夫？ 一緒に探そうか？」
とか、男の人も女の人も両方に声を掛けられる事があった。
それは、たまに、ぱぱの〈さしがね〉で私がついていかないかテストしてる事もあったらしい。
さしがねって言葉はこういう時に使うらしい。
よし、使い方はわかった。
「次は……園子ちゃんね！」
私が、どうでも良い事を考えている間に、美雪ちゃんは次々とプレゼントを開けていた。
園子ちゃん。
鈴木財閥の御令嬢。確か、次女。
何度かこういうパーティーで会った事がある。
ぱぱは死んだ事になってるけど、私の兄貴が現社長？ みたいな形で会社を経営？ してる形らしい。
詳しい事はぱぱもお手伝いさんも、最近よくいる、ジンって奴も誰も、教えてくれない。別に良いけど。
そのうち、分かる事だって思ってるから。
綺麗なドレス。
プレゼントの山。
私にも、同じ様な事をしてくれるけど、私は誕生日会をやるたんびになんだか、悲しくなるの。
私から見て、美雪ちゃんの右側には開けてないプレゼント。左側にはあけたプレゼント。
私のあげたくまは、美雪ちゃんの1番近くにちょこんと座っている。
私の事は見ていなかったけど、美雪ちゃんの方はちゃんと見ている様だ。
他にも、ブランドもの鞄やお洋服。
やはり、くまは定番だったが、別のメーカーのぬいぐるみ。時計、ネイルセット。可愛いアクセサリーなど様々だった。
「わぁ！ すごい！」
園子ちゃんからのプレゼントを開けた時の美雪ちゃんの顔は輝いていた。
私は？ どう思われてるんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：英 優美 | 作成日時：2021年7月21日 21時
