独:朝日に向かっておはよう ページ6
「うがあぁ？！」
目の前にはルートヴィヒさんの心配そうな顔、しかしその顔はみるみる内に蒼白になってゆく。
ああ、最悪だ。
憧れのルートヴィヒさんに顔を悪い意味で真っ赤にした状態で見つかってしまった。
強ばっている両方の表情。
「ごっごめんなさいでした！」
どうしようもなく緊迫とした空気に耐えられず、その場から逃げ出す。
「あ、おい！待て！」
ルートヴィヒさんが遅れて追いかけてくるが、あの真っ青な顔が忘れられなくて、止まりたくても止まれない。
でも、運動の苦手な私よりもムキムキマッチョなルートヴィヒさんの方が速かった。当たり前だ。
手首を掴まれて、慌てて止まる。
「んぎゃっ」
走ってきた勢いでルートヴィヒさんが背中にドカッっとぶつかってきて、朝食が出てくるかと思った。
「すっすまない、大丈夫か？！」
「いいえです」
ルートヴィヒさんの救急セットで色々なところの手当てをしてもらい、少し落ち着いた。
「あの、おはようございます……」
落ち着いたところで唐突に挨拶をする。今度こそはちゃんと言えた、三度目の正直ってやつだ。
「ああ、おはよう。今日は早いんだな」
戸惑いつつも返してくれる。
「はい、今日は遅刻しませんでした」
「そうだな、毎日早起きしてくれればありがたいのだが……」
溜め息混じりに言うルートヴィヒさんは、まるで母親のようで、話しやすい。
「それはちょっと私には難しすぎると思います」
ルートヴィヒさんの目尻が下がり、
「早く来てくれれば、俺は嬉しいぞ」
ニコリと微笑む。
「うーん……じゃあ、がんばってみます。」
話していて、自分が緊張していないことに気付いた。自然に会話できていて、いい雰囲気だ。
「アイツもたまには遅刻しないで来てほしいが……」
そう言うと、先程まで柔らかだったルートヴィヒさんの表情は硬くなってしまった。アイツというのが誰なのかは容易に想像できた。
「フェリシアーノさんはそんなに遅いんですか？」
「それはもう！俺があれだけ＿＿」
怒っているような困ったような感じで熱く語るルートヴィヒさんはとても生き生きとしている。
「遅くなってごめんよ！ちょっとドーナツが落ちててさぁ！」
理解し難い言い訳を叫びながら、ヒーローが遅れてやってきた。
掃除をしながらもルートヴィヒさんは熱弁。
お昼近くに人がぞろぞろと集まり出して会議が始まった。
帰りはフェリシアーノさんの凄く立派な車で家まで送ってもらった。自分の考えの無さに絶望し、明日は自転車か電車で行こうと決めた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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そら色ぱんだ(プロフ) - イチゴフラペチーノさん» コメントありがとうございます。その言葉を待っていました！後でフェリちゃん視点の話を書く予定ですのでそちらで分かると思います。でもヒントを出すとしたら、フェリちゃんのお願いは絶対叶いますよ。 (2017年8月5日 11時) (
レス) id: a29f2cd473 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴフラペチーノ - フェリちゃんが主人公のお話でフェリちゃんとルートが何をお願いしたのか気になります！ (2017年8月5日 0時) (レス) id: e3c16ab556 (このIDを非表示/違反報告)
そら色ぱんだ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます！その一言でやる気が溢れてきます！ (2017年5月14日 12時) (レス) id: 115534a937 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - とても面白かったです！頑張ってください (2017年5月12日 23時) (レス) id: 1ce20541ad (このIDを非表示/違反報告)
そら色ぱんだ(プロフ) - maoさん» それはよかったです！ありがとうございました！ (2017年4月30日 12時) (レス) id: 115534a937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら色ぱんだ | 作成日時：2017年2月19日 3時
