米:君色のキャンパス 5 ページ15
「あーはははっ……はぁっ、ごめんなさい、もう大丈夫」
笑い過ぎて明日は筋肉痛であろうお腹を擦りながら男に謝罪する。
「まったくだよ」
「あの、ホントに勝手に描いちゃってごめんなさい。すごくキレイだったものでつい……」
「あぁ、そんなのいいって!知らない誰かに描いてもらったのなんかはじめてでさ、嬉しいよ」
突然謝罪し出した私にも、男はニッと笑ってみせた。
私も真似して、ちょっとぎこちなく笑って男を見る。
男のメガネのフレームが光を眩しく反射していて、なんだろうと後ろを振り返ると、目の前に見えた空は晴れわたっていた。
「雨止んだみたいですよ」
男も向こうの空を見た。
「そうみたいだね!……ところで、そのバッグの中には何が入っているんだい?」
妙な間の開いたあとに、男は私のバッグをビシッと指差す。
「ああ、そうだなぁ……」
歩いていき、湿っぽいバッグを持って男のところまで戻ると、意外にも無事だった中身をゴソゴソと漁ってまずペンケースから取り出していく。
「ペンケースとか、あとお財布とタオルと、宿題に、お菓子__」
「お菓子ぃ!?」
次々とバッグの中身を出していると、男は突然大声叫んだ。
どうやらお菓子という単語に反応したみたいだけど、これをあげるわけにはいかない。
「ごめんなさい、これはあげれません」
「そんな!どうしてだい!?」
「先生に貰ったお土産だから、あげれないんです」
「Oh,No!お土産は早く食べないとダメなんだぞ!」
残念そうな男にごめんなさいと謝りつつ、地面に置きっぱなしの物たちをバッグの中に戻していく。
財布を持ち上げるとちゃんと閉まっていなかったらしく、小銭と学生証が地面に叩きつけられる。
「ほら、落ちたよ!」
しゃがんで一緒に小銭を拾ってくれる男は残った学生証を取ってん小銭が全部あるか几帳面に確認している私に渡してくれる。
「ありがとう」
「あれ、これ学生証じゃないか!」
「あ、そうなんです」
「へぇ。君、Aっていうんだね」
男は学生証に視線を向けたまま、小学生がかけ算を覚えるように数回呟くと、顔を上げた。
「いい名前だね!あ、俺はアルフレッドっていうんだ、よろしくたのむよ」
「はい、よろしく……」
薄々分かってはいたけど、どうやらこの男はアルフレッドという名前からして外国人らしい。
視線を感じて顔をあげると、アルフレッドという名前の男は何かを期待しているような眼差しで私を見詰めていた。
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そら色ぱんだ(プロフ) - イチゴフラペチーノさん» コメントありがとうございます。その言葉を待っていました!後でフェリちゃん視点の話を書く予定ですのでそちらで分かると思います。でもヒントを出すとしたら、フェリちゃんのお願いは絶対叶いますよ。 (2017年8月5日 11時) (レス) id: a29f2cd473 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴフラペチーノ - フェリちゃんが主人公のお話でフェリちゃんとルートが何をお願いしたのか気になります! (2017年8月5日 0時) (レス) id: e3c16ab556 (このIDを非表示/違反報告)
そら色ぱんだ(プロフ) - 小夜さん» ありがとうございます!その一言でやる気が溢れてきます! (2017年5月14日 12時) (レス) id: 115534a937 (このIDを非表示/違反報告)
小夜 - とても面白かったです!頑張ってください (2017年5月12日 23時) (レス) id: 1ce20541ad (このIDを非表示/違反報告)
そら色ぱんだ(プロフ) - maoさん» それはよかったです!ありがとうございました! (2017年4月30日 12時) (レス) id: 115534a937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そら色ぱんだ | 作成日時:2017年2月19日 3時