3.信用 ページ4
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う
初対面の人の家に行くとかやっぱり無理。
何があるかわからないし、もしかしたら私…この人に騙されてるかもしれない…
『…やっぱり、タクシーで帰ります』
「そんな怖がんなくても何もしないよ」
足を止めた私の近くまで歩いてきて彼は背中を軽く押す。
『え…、ちょ、っ』
「何かされたら警察呼んでもいいし、何ならお金払うよ。いくら?100万?1億?」
『そういう問題じゃ…』
「少しは信用してよ」
彼のその言葉にその表情に
胸が締め付けられるような、そんな感覚がした。
『…お世話になります』
渋々と頭を下げると彼は、やっぱり私の方ばかりに傘をさして、自分の肩を濡らしていた。
それが、彼との一番最初の出会い。
どう?ロマンチックでしょ?
こんなにも優しくて顔もイケメンで。
女性はきっと彼を放っておかないでしょ?
それに私、自分の気持ちは正直に言うタイプなの。
言わなきゃ伝わらないし、理解してもらえない
女が本気になると怖いって、こういうことだと私は思った。
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・
『暫くの間、デザイナーとして一緒にお仕事をさせて頂きます。西之濱 Aです。よろしくお願いします』
「あ…、、」
そして今日、偶然にも私は派遣先で二宮さんと出会う。
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作者名:らいあー | 作成日時:2019年5月19日 9時