オーエル3 (ページ47)

今日:1 hit、昨日:49 hit、合計:158,947 hit

139 ページ47

世間は夏休みだけど平日ということでアウトレットはテレビで見た時ほど混んではいなかった

駿くんが見たいと言ったレゴが揃うおもちゃやさんに入ると駿くんの顔に満開の笑顔が咲く

駿くんは私たちの手を引いてずんずん歩いて行き、レゴで出来た大きなロボットを見つけると私たちの手を離して走っていった

にのたちは今どこにいるんだろう

にのは栞さんと回ってるのかな

2人きりではなくともきっと今この瞬間も栞さんの事を想ってる

振られてもこれだけ未練が残る私と同じように..

あぁ、またにののこと考えて

ほんと往生際が悪いな私...

「っ?」

さっきまで小さな手のひらにきゅっと握られていた私の手は、少し自由になったうちにもっと大きな手のひらに包まれた

智「駿見失う前にAとはぐれそう笑」

「え、あ、ごめん」

無意識に私の歩く速度がゆっくりになってたらしい

智「俺、Aのこと誰よりも早く見つける自信ある」

「え？笑」

智「だから迷子になったら言ってね、すぐ見つけるから」

「..すぐ？笑」

智「うん、すぐ」

大野くんは柔らかい笑顔を向けてそう言う

そんなこと言われたら、ちょっと迷子になっちゃおうかななんて思っちゃう

きっとこれは失恋して心が傷ついているせいなのだけど、

今日の大野くんはすごく優しくて、お日様みたいに温かくて、あり得ないくらい格好良く見えた

-

駿くんも満足したようでみんなと合流する

翔「きたきた」

直「間違っても夫婦には見えねえなお前ら笑」

智「うわっ、ひでえ心は超旦那気分だったのに」

駿くんは歩くのに疲れてしまったようで途中から大野くんがおんぶしていた

潤「A、こっちおいで」

「ん？」

潤「....」

「..え？」

翔「はっ？！焦」

智「うわっ、」

潤くんの元へ行くと、きゅっとしっかり手を握られた

えっと、これは、、、

潤「リーダーばっかずりいじゃん」

潤くんはそう言って握った手に少しだけ力を込める

な、なにこれ、、

めっちゃ恥ずかしい、、、、

急に少女漫画の世界のヒロインになったみたいで、耳までカァーッと暑くなるのを感じた

智「おい駿降りろお前をおんぶしてる場合じゃなくなった」

駿「...zzz」

智「おいっ」

ユ「アハハ、駿ナイス笑」

こんな風に笑いあってる間にも少しずつ少しずつ歯車は狂い出していることに

まだ私たちは

私は

気付いていなかった