灰色の空に隠れた未来【3年A組】 (ページ9)

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『…これで全員分かな、』

袋の中身を確認してポツリと呟く

あの後、クラスメイト全員に配って回った

皆、最初は驚いた顔をしていたもののすぐににっこりと笑って受け取ってくれた

さくらや澪奈達からもお返しを貰い、崩れないように慎重に袋に入れた

…何故か石倉くんに物凄い勢いで感謝の言葉を述べられたけど

「凄い荷物だな、」

『先生』

声が聞こえた方を見ると、扉に寄りかかってこちらを見る先生の姿があった

『丁度よかった。先生にも作ってきたのでよかったら…』

「ありがとう。…Aは、全員にチョコ渡したのか？」

『…？はい、皆私にとってお世話になった人だから、』

「………そうか」

ちょいちょいと手招きされて先生に近付くと、ぐいと顔を寄せられる

「＿＿＿嫉妬しちゃうなぁ」(ﾎﾞｿｯ

『………っ!?!?!?』

耳元で囁かれた熱が篭った声

動揺を隠せず、咄嗟に耳を抑えて後ずさる

先生はそんな私の様子を見て満足そうに笑うと、「これありがとね」と言って教室を出ていった

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『……何だったんだろ…』

後には、顔を真っ赤に染めたAだけが残された