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2話 ページ3

すれ違う瞬間に、葉加田は勝ち誇った顔でこちらを見てきた

その視線は甘露寺から向けられた哀れむような視線と混ざって私の目に届いた





私は軽い会釈の後、屋敷へ戻った




______
___





屋敷は誰もいない。がらんとしている。


ここがもうすぐ葉加田の物になるのか。それが心残りだ。


私は隊服を脱ぎ、着物へ着替えた



日の光りが射し込む縁側で出来るだけ、静かに元仲間と共に買った風鈴を手に取った




これを選んだときの甘露寺は笑顔で、伊黒と選んでくれていた。

まあ、こんなもの虚しくなるだけだ。









そんなことを考えていたら玄関から大きな声が聞こえた







「オイ、腹黒愚図女ァ、元仲間。として祝いに来てやったぜ」







不死川の声だ。


その声に驚いた私の手から、風鈴がするりと抜け落ちた


パリン、と音をたてて硝子の破片が床に散らばった。



描かれていた蓮の花は粉々に成っている



見るも無残な風鈴を、ぼうっと眺める。







待たしたことに痺れを切らした不死川がずんずんと歩いてきた





「オイ!客人に....」




ぶつぶつと呟きながら歩く不死川は足元に散らばる破片に気づいていない様子。


私は声をあげた






『不死川、危ないから下がれ。』






突然声をあげた私に驚いたのか、不死川は歩みを止めた

やっと足元を見た不死川は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした


そんな不死川を横目に破片を拾い集める。

何も言えずに固まる不死川に私から話しかける





『一々屋敷まで足を運んでくれてご苦労。それで、元仲間に何の用だ』





その言葉を聞いた不死川は意識を取り戻したかのように叫んだ




「何、癒未をあんだけ殴っておいて尻尾巻いて逃げんのかよ」




『殴るも何も、私は彼女に暴行した覚えはない』




はあ?と顔を歪ます不死川。




「まだとぼけんのかよ、柱辞めようとしてんのが何よりの証拠じゃねぇか」




『犯してもいない罪を被せられ、信じていた仲間に陰口を言われるのはどうも辛くてね』





不死川は、話になんねぇ。と呆れた声を出した

いつもなら飛びかかってくるはずの不死川。まあ、それも彼女の影響だろうか






『...用件はそれだけかい?』





風鈴を袋に入れ、側に置いた私は不死川に問いかけた




不死川は苛立ちが顔に出始めた

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おもち - 面白過ぎる…!! (2021年9月22日 20時) (レス) @page24 id: fc046bdd74 (このIDを非表示/違反報告)
狼犬 - 更新、頑張ってください!!応援しいます!面白かったです (2021年1月3日 12時) (レス) id: 9d56067a81 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ - 物語が面白くて更新が待ち遠しく感じます。応援してます! (2020年5月29日 4時) (レス) id: 448852077c (このIDを非表示/違反報告)
てふ。 - すごく面白いです!更新楽しみにしてます。頑張ってください (2020年5月15日 14時) (レス) id: 3b6a04b6eb (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 癒未が自分の行いを反省して改心してほしいと思います。夢主柱達に謝ってほしいです。悪女側にも事情があるのかなと思うなんて甘い考えかも知れませんが改心してくれたらいいなぁと思います。長文失礼しました。 (2020年5月5日 10時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゅーめい x他1人 | 作成日時:2019年10月14日 9時

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