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駄菓子が20と9つ ページ30

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あの後、僕は寝てしまっていたようだ。その時にお兄さんが来たらしいけど、昼寝の邪魔になるからと帰ったらしい。

だから、結局お兄さんと顔を合わせないまま、僕が家に帰る日が来た。


僕は、帰る準備で荷物を纏めるために、バタバタと動き回っていた。

「忘れ物はない?」

「うん。」

ばあちゃんに訊かれて、忘れ物がないか見て、船賃もあるか確認した。


「…じゃあ、ありがとう、ばあちゃん」

「また泊まってくれていいからねェ」

「うん。次は餅つきのときだと思うけど…」

店先でニコニコと笑ったばあちゃんに見送られて、僕は船着き場へと出発した。

迷わないようにしないとね。


坂道を下っていると、後ろから僕を呼ぶ声がした。

「Aくん!」


振り返ると、お兄さんが少し急いだように早足でこっちに来ていた。

「…お、お兄さん…?」

昨日、顔を合わせていなかったのが、なんだか気まずくて口ごもってしまった。

「今日帰るなんて聞いてないよ…!」

「……ばあちゃんから聞かなかったの。」

息を整えながら言うお兄さんへ答えるのに、少し声のトーンが低くなった。
昨日凄い仲良く話してたから、そのこと言われてるでしょ、という意味を吐き出すように。

「そんなこと聞かなかったよ!」

「…一緒に船着き場まで行ってもいいかな?」

強く否定した後のお兄さんの提案に、僕は静かに頷いた。


「あ。手、繋ぐかい?」

「…え、は、…?」

こいつ何言ってんだ、と戸惑った。


「いや、いいよ。子供じゃないし…」

「“いいよ”? じゃあ、繋ぐね。」

日本語って難しいな、、、
断ったはずが、肯定の意味として相手に捉えられてしまった。

お兄さんの繋いでこようとする手を避けようとしたけど、すぐ捕まえられ、強引に繋がれた。


繋いだ手を通して、お兄さんの熱が伝わってくる。

……て、何考えてるんだ、僕。


自分で思ったことなのに、それがだんだん恥ずかしくなって、顔に熱が集まった。


隣のお兄さんは、ゆるゆると表情筋が緩みまくった笑顔だ。



ときどき僕はお兄さんの考えていることがよく分からないことがある。

初めて会って餌付けされた時。
読書感想文を読ませてと言われた時。
ここにいるのをもう少し長引かせるよう説得を頼まれた時。
一緒にお風呂に入った時。
手を繋ごうと言われた今。

…逆に、僕はお兄さんのことをどう考えているんだろうか。

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設定タグ:BL , 男主 , 年の差   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時

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