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駄菓子が10と4つ ページ14

翌日、お兄さんは昨日と同じ時間に来た。ちょっとした鞄を持っていることから、その中に僕へのおすすめの本とやらが入っているんだろう。

お兄さんは、店先で花の世話をしているばあちゃんに、軽く挨拶を済ませ、カウンター奥の僕がいる部屋に入ってきた。

「おはようAくん」

これまで見たニコニコ顔とは違う、すっきりしたような爽やかな笑顔で挨拶をしてきた。
何か良いことでもあったのかな

僕は、頭を軽く下げて小さく挨拶した。

「…おはようございます」


「えーと……これが、私のおすすめの本。早く読んで感想聞かせてね。」

なんか気持ち悪いな
そう思ってしまう程、清々しい雰囲気な態度をとられて困惑する。

「…なんか良いことあったの?」

「仕事が上手くいっただけだよ。」

お兄さんはそう言って、ニコニコ笑った。
大人って、大変だな。僕が夏休みでゴロゴロしている間にも、汗水流して働いてるんだもんな。
…でも少し疑問に思う。今までの話とか、お兄さんがここに来る時間とかを考えると、仕事をちゃんとしている人なのかということ。

「お兄さんって社会人だよね?」

「…? そうだね。」

「ちゃんと仕事してるの?」


「ちゃんとしているよ!? 安心してほしい。私は、定められた役職に就いている。」

疑えば、必死な表情で主張された。
職業を訊こうかとも思ったけど、いつでも訊けるからいいや、となった。
お兄さんから渡された本は、洒落た題名が記された、普通の本だった。
もし、分厚くて字がたくさんあるような本を薦められたらどうしようかと思ったけど杞憂だった。

頑張って早く読もう。


「今日は宿題何するの?」

お兄さんが宿題の話に切り替えたので、机を間に向かい合うようにして座った。

「そういえばお兄さん聞いて! 僕、昨日夜に漢字と英語のノート終わらせたんだ」

身を乗り出すようにして、僕はお兄さんに言った。
なんか、僕がお兄さんに褒められたくて言ったように聞こえるかもしれないけど、違うからね…?

「頑張っているね〜偉いぞAくん!」

と、言いながら目の前の彼は、身を乗り出したままの僕の頭を撫でた。

大きくて暖かい手に安心感を覚えてしまって、頬が緩む。

……まてまて。本当に、僕はお兄さんに褒めてもらいたかった訳じゃないから!
誰への言い訳なのか分からないことを心の中で叫んだ。

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設定タグ:BL , 男主 , 年の差   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時

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