駄菓子が10と１つ ページ11
家から持ってきた自分の荷物から、宿題を出して、お兄さんのところに持ってきた。
「プリントたくさんだね」
お兄さんは、眉を下げて笑いながら僕の持っているものを見た。
どさりと机の上に置いて、宿題たちを並べる。
「いつもは何からするの？」
そう、お兄さんがきいてくる。
「漢字とか英語の練習ノートからやってる。何も考えずにできるし」
僕の言葉を聞きながら、お兄さんは練習ノートを手に取って、ページを捲った。
「…うーん…私が手伝えるのは、問題集くらいなのだけれど…」
一行程しか書かれていないページを見ながら、苦笑いでお兄さんは言う。
「…この入試対策プリントなら」
「…うわあ…たくさんあるね」
「問題、解答、解説合わせての紙の量だからね。…今すぐ捨てたいけど」
国語、数学、理科、社会、英語の五教科のプリントだ。全てで２０枚以上あるそれは、一枚一枚にかかる時間は少ないものの、目の前にするとやる気が失せた。
「さ、鉛筆持って、国語から！」
「…筆箱持ってくるの忘れた。」
お兄さんが国語のプリントを僕の前に出されて、気づいた。僕は、家から宿題は持ってきたが書くものを持ってきていないことに。
「え、そうなの？」
「…家から」
「…やる気があるのかないのか
……幸さーん！ 鉛筆ってどこにしまってますか？」
少し呆れたように、乾いた笑いを溢しながらお兄さんは、ばあちゃんがいる店の方へ声を張った。
その声を聞き届けたのか、ばあちゃんは顔を覗かせた。
「仏壇の隣にある棚の…二番目の引き出しにあったような…」
あまり記憶に無いのか、うんうん唸りながらばあちゃんは教えてくれた。
ばあちゃんは基本筆で物書きをしているらしいし、鉛筆はあまり使うことがないんだろうな。
僕は、仏壇の方へ駆けって隣の棚の二番目の引き出しを見る。
そこには、２０くらいありそうな鉛筆と小さくなった使いかけの消しゴム、30cmものさし、コンパスなどなど文房具が多く仕舞われていた。
「いいねぇ…こういうものを見ると少し興奮しない？」
僕の後ろから覗きながらお兄さんが言った。
興奮ってどこにそんな要素があるのか些か不思議な感じはあるが、無視して鉛筆と消しゴム、30cmものさしを適当に取った。
そして、引き出しを閉めて机の元へ座る。
「さ、宿題しよう」
「わからないところがあったら、いつでも訊いてね」
と、お兄さんはニコニコ笑った。
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (
レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…！(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひぃ | 作成日時：2019年2月25日 21時
