【約ネバ】過保護通り越してなんだこれ。

恋ってなんだっけ。 ページ10

「A、愛してる。結婚しよう。」
『ちょっとぶん殴っていい？』

私が帰るなりいきなり抱きついて言ってきたレイ。
突然の事に驚いて思った事が口に出てしまった。

「レイ！？ どうしたの？！」
顔を青ざめながらこちらへ走ってくるノーマン。

「ガチ恋だった……まさか付き合うなんて…信じてたのに………」
『ん！？ ん！？ 何のこと！？』

私の肩に顔を埋めるレイ。左の所だけ異様にくすぐったい。

「もしかして、さっき見てた「プラモデル猛者☆」のアニメの事……！？」
『なにそのつまんなそうなアニメ。』
「ただプラモデルの作って空へ飛ばすアニメなんだけど、それをレイがずっと見ててね。」
『レイそんなの観てて人生楽しい？』
「ストーリー自体はつまんないけどキャラがめっちゃ良い……」

ぐぐぐ、と抱きしめる力を強めるレイ。

『う"、ち、ちなみに好きなキャラってどんな人？』
「清楚系美少女、ずっと親に虐待されてた所を主人公の野郎が助けやがって2人とも恋に……」

俺が助けたかった……！！と更に力を強める。
ノーマンヘルプ！目で助けを求めると、察しよ良いノーマンはすぐに助け舟を出してくれた。

「ま、まぁレイ。とりあえず落ち着こうよ。ほら、こんなやつが結婚相手とかレイも嫌でしょ？」
『確かに助けてとは言ったが心を傷付けていいとは言ってないぞ。』

こんなやつって…こんなやつって……！！！

「たしかに。」
さっきまでのレイとは打って変わっていつものレイに戻った。
抱きしめる力も戻ってなんなら3歩ぐらい下がった。
喜んでいいの？ これ。

「俺もどうかしてた……こんなやつに結婚申し込むなんて…」
『あ、私完全空気だこれ。』


「こんな奴よりノーマン。お前の方がマシだ。俺のために味噌汁を毎日作ってくれ。」
「結婚は嫌だけど味噌汁は毎日作ってるよ。」
さすがノーマン先生告白をサラリと受け流す。

その間私はこの空間から逃げ出そう。
空気となった私はバレずに逃げることが出来た。
リビングのテレビには、タイミング良くその「プラモデル猛者☆」の次回予告をしていた。

「お願い、死なないで主人公！あんたが今ここで倒れたら、恋人はどうするの？ プラモデルの部品はまだ残ってる。このプラモデルさえ作れば、世界一を取れるんだから！

次回、「主人公死す！」。プラモデルよ、空高く飛べ！！」

・・・。
『レーーイーー！主人公死ぬってー！！！！』

「うぉぉぉぉぉっしゃぁぁぁ！！！！！！」

こぼれ話。(という名の今までの没話)→←・続

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