九話【お誘い】 ページ10
ホー、と鳴いたのが、夢なのか現実なのか分からないくらい寝ぼけていた。
……ホー?……ほー?……ho?
「……ッッ!?ふ、梟?何故だ?窓は閉めたはず……」
一匹の梟が私の胸あたりに、爪を立てながら立っていた。生憎、布団はかけてあったため、私の胸は無事だ。
……まて、私は布団なんかかけてないぞ。
「やっと起きたんだね。心配だったから見に来てしまったよ。」
視界を右にずらすと、紺色のローブを着た男がソファに座っていた。
「”彼女”にひどく怯えてるようだけど、人は襲わないよ。」
”彼女”とは、恐らくこの梟の事だろう。
彼がそういうと、梟は彼の肩に立った。
「何故君はここにいるのかい?」
彼は口元を柔らかくして、
「夕食、一緒に食べたいなって……」
と、呟いた。
初対面なのに私の事を────
まるで友人の様に接してくる彼は、ただの社交性が強い。と、いう特徴だけで抑えるのは気にくわないが、まぁ初日から親しい友が出来るのはいいことだ。
「嗚呼、じゃあそうしよう。私の名前は──」
「A・スペンサー。あっているかな?」
……。一瞬でここまで関わりたくない、と思った人物は人生で初めて……いや、二回目か。
「何故私を知っているんだい?”あの事”は、私と彼女。そして、」
「”英国ロンドンの連続殺人犯”のみ。……災難だったね。……本当に。」
参ったものだ。
まさかここまで知られてるとは。
「……何故?君の考察からか?何故私の本名が分かった……?」
しかし、ここまで的確な考察なんて、普通は出来ない。資料も少ない中でこんなにも的確に当てるのは、超人や天才の類いだ。
「簡単だよ。……これ。」
アイマスクに指を指す。……?……古代ドルイド預言者の生き残り?いや、違うか。
「私には”天眼”。”未来”が見えるんだ。……少しね。」
未来が見える、やはり生き残りか。
しかし───過去は見えないはずだ。
「過去は見えないだろう?……嗚呼、”そこから”考察したのか……。」
「とりあえず、食堂にいこう。皆がいるよ。”セーブさん”。」
……多分彼にはかなわないだろう。
230人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
第五愛(プロフ) - 一作で終わらせようとしたのに……二作目の予定になりそうです。心理の答長編になりそうなので何卒よろしくお願い致します。 (2020年3月4日 0時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - アムカリさん» ご心配ありがとうございます……!アルカリ様もどうかお身体にはお気をつけてください……! (2020年2月29日 23時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
アムカリ(プロフ) - 作者様もお気を付けてください…! (2020年2月29日 23時) (レス) id: 16831434ed (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - 皆さんコロナにはお気を付けて……。 (2020年2月29日 18時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 更新されてるか毎日確認するくらい好きです!待ってます!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 88aab0d57f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:第五愛 | 作成日時:2019年11月7日 17時