三十二話【濃い霧】 ページ36
「「早く逃げて！」」
暗号機が八割程度まで進んだ頃。通信機からイライの通知がきた。
恐らく解読中誰かに巻き込んでしまったのだろう。マイク君か、デミさんかのどちらかが受け継ぎをしているのだろう。
「早く解読を……」
────唐突に背筋が凍るような感覚が来る。
心臓がドクドクと鳴っているのが分かる。
雰囲気だけでも分かった。霧が、あの霧が来る
まぁ、要するにだ。
私が最も恐れていた
「背中が、ガラ空きですよ？」
────あの“殺人鬼“がハンターなのだ。
「あぁ……、あっ…………」
……霧が、あの霧が当たった。倒れた体を起こそうとするが、震えが、止まらない、抑えきれない。
「……今回の新サバイバーは、随分と呆気なかったですねぇ……。」
もう一発。鋭い手で切り裂かれた。
例の鼻歌を歌いながら、麻痺して動けない私の体を横抱きした。馬鹿にしているのだろう。
それは、私の顔をまじまじと見ながら地下の椅子へと運んでいく。……嗚呼、恐怖心で、可笑しくなってしまいそうだ。
「ン〜〜……？……貴方。何処かで……」
「……！」
(いけない。正気を保つんだ)
私は我に返る。
私は。私は……やるべき事を果たさなければならないのだ。
私は、死に物狂いでもがいた。
突然だったためか、ハンターは驚いた表情をした。
……まぁ、解放される訳でもなく、椅子に縛られたのだ。さらに特等席の最も奥の椅子。
─────最悪だ。
一台、二台と解読が完了したことを知らせる音が鳴り響いた。……私の方は既に半分を経過しており、次捕まったら確実に飛ぶ。
正直の所。逃げ切れる自信もないので、仲間には「「解読に集中して！」」と知らせている。
……今の状況で出来ること。
それはハンターへ時間を稼ぐ事だろう。なるべく引き留めるのだ。
「おや。耳鳴りが……」
ハンターの特質？または能力だろうか、能力で救助に向かってくるサバイバーの音が聞こえるのだろう。
恐らくクラーク君だろうか。
地下吊りの上、ハンターは霧、刃と連続して攻撃をする。しかし彼の場合、一回は梟でそれを防げる──故に彼は地下救助に適任だろう。
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第五愛(プロフ) - 一作で終わらせようとしたのに……二作目の予定になりそうです。心理の答長編になりそうなので何卒よろしくお願い致します。 (2020年3月4日 0時) (
レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - ｱﾑｶﾘさん» ご心配ありがとうございます……！ｱﾙｶﾘ様もどうかお身体にはお気をつけてください……！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
ｱﾑｶﾘ(プロフ) - 作者様もお気を付けてください…！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 16831434ed (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - 皆さんコロナにはお気を付けて……。 (2020年2月29日 18時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 更新されてるか毎日確認するくらい好きです！待ってます！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 88aab0d57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：第五愛 | 作成日時：2019年11月7日 17時
