二十三話【衣装】 ページ25
「……セーブ!」
「なんだいナワーブ?」
「へへ……なんでもない」
私は、食堂の目の前にある図書室にて本を選んでいた。ナワーブが後ろからつけてきた様で、意味のない会話を何回もしていた。
ナワーブは、いつもと違う格好「スプリング」という洋服だったので始めは誰か検討もつかなかった。
いつもより幼くみえるため、片手を握られているこの状態が、私はそういう趣味をもった人間に見えなくもない。
「ナワーブ。先程から君、いつもと格好が違うけど……」
「似合うか……?」
「え、」
予想外の返答に声が裏返る。正直、私としてはいつものナワーブの方が話しけやすいが……
「……似合うよ。」
「ホントか!?」
下を向きながらニコニコ笑う様子が見えたが気のせいだろう。そんな事より本だ。
「ん、これ面白そう」
「なんだいそれは……」
私が真面目に本を選んでいるというのに、彼は鷹と梟が表紙にある絵本を出してきた。
小馬鹿にしているのか?……とは思ったが馬鹿にしている様に見えないし……
「あっ、セーブさんとナワーブさん………お久しぶりです。」
「カール君!久しいね。」
「お風呂一緒に入ったっきりですから……セーブさんも本選びに来たんですね。」
「!?風呂……!?」
「あの時は助かった……君には感謝しているよ。」
「……お役に立てて嬉しいです。」
「…………イソップ……!!」
凄い顔でナワーブが私の裾を引っ張るが、それに対してカール君はニコニコと平然にしている。社交恐怖……
「そういえばセーブさん。衣装によって性格が少し変わるっていう機能知ってましたか?」
私が先程からナワーブに違和感を感じていた事を察してくれたんだろう。しかし性格が変わるね……性格変わる??
「!?性格が変わる!?とんだホラーじゃないかそれ……」
「僕もそれには同意しますね。未だに始めの衣装しか着たことないですし。」
荘園の主が決めたらしいのでどうもできませんが、と付け足す。荘園に主がいるのか?
「カール君。この荘園に主がいるのかい?」
「……話が長くなるので、椅子に座って説明しますね」
是非聞きたいところだ。
荘園の主について、不思議な点が山ほどある。
私は椅子に座り、彼から説明を聞く事にした。
230人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
第五愛(プロフ) - 一作で終わらせようとしたのに……二作目の予定になりそうです。心理の答長編になりそうなので何卒よろしくお願い致します。 (2020年3月4日 0時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - アムカリさん» ご心配ありがとうございます……!アルカリ様もどうかお身体にはお気をつけてください……! (2020年2月29日 23時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
アムカリ(プロフ) - 作者様もお気を付けてください…! (2020年2月29日 23時) (レス) id: 16831434ed (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - 皆さんコロナにはお気を付けて……。 (2020年2月29日 18時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 更新されてるか毎日確認するくらい好きです!待ってます!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 88aab0d57f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:第五愛 | 作成日時:2019年11月7日 17時