十五話【ふくろ】 ページ16
私は、気分転換に中庭を歩いていた。
───ふと、寒気を感じた。
まるで誰かに見られているような……
「あっ！あたらしいサバイバーさん？」
驚いて反射的に振り向く。すると、中庭を囲っている壁に、ひょこりと……袋！？袋が喋ったのか！？
「な、ななななんだい君は？誰なんだい？」
袋に問いかける。すると、袋は胴体を表し、中庭へ入って私の目の前まで来た。
……嗚呼、”袋を被った人間”じゃないか。良かった。
「僕ね！ロビー・ホワイト！新人さんの”顔を見に来たくて”話しかけに来ちゃった！えへへ……」
声帯的にも幼い男の子なのだろう。きっと彼もあの手紙を渡されたのだ。
「ロビー君か……。私はセーブ・ベル。心理学者。これからお世話になるよ。よろしくね？」
「セーブ？あはは！よろしく！」
私の周りをぐるりと回って握手される。無邪気だなぁ……私もあの頃に戻りたいよ。
「ところでセーブ！次の試合の予定っていつ？君とゲームしたい！」
確かサベダー君と午後から試合の予定がある。そこでいいだろう。
「午後からだよ。サベダー君とも行くんだ。」
りょうかい！、と言われる。
彼も時間を合わせてくれるのだろう。
「サベダー？って人だあれ？僕ね僕ね、名前覚えるの苦手なんだ！すぐ忘れちゃう！」
覚えるの……というか人数が多いからかな。私も戸惑ってしまうのでとても共感できるところだ。
「役職で云うと傭兵。で、名前がナワーブ・サベダー。ほら、緑色の。」
「あっ！あの頑丈なサバイバーかぁ！分かった！ありがと！！」
「例には及ばないよ。」
じゃあ次の試合で、と言われ、壁の上に立つと思い出したかのように、少年が私の顔を見る。
すると指を指されて
─────顔、覚えたからね
見えないはずの彼の顔が、どこか笑って見えた。
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第五愛(プロフ) - 一作で終わらせようとしたのに……二作目の予定になりそうです。心理の答長編になりそうなので何卒よろしくお願い致します。 (2020年3月4日 0時) (
レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - ｱﾑｶﾘさん» ご心配ありがとうございます……！ｱﾙｶﾘ様もどうかお身体にはお気をつけてください……！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
ｱﾑｶﾘ(プロフ) - 作者様もお気を付けてください…！ (2020年2月29日 23時) (レス) id: 16831434ed (このIDを非表示/違反報告)
第五愛(プロフ) - 皆さんコロナにはお気を付けて……。 (2020年2月29日 18時) (レス) id: a1b6700df9 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - 更新されてるか毎日確認するくらい好きです！待ってます！！ (2020年1月30日 21時) (レス) id: 88aab0d57f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：第五愛 | 作成日時：2019年11月7日 17時
