【黒子のバスケ】愛しているから閉じ込める【赤司征十郎】

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[赤司side]


雑巾は洗面所の流しに入れて俺はリビングまで案内した。

そうだった。
食器洗いの途中だったんだ。


と思い出すと茶を出す前に食器を洗う。


Aを手伝えば、Aに褒めてもらえるし、Aの笑顔を見られるし、何よりAが楽になれる。

俺には良い事ずくめだ。


Aは喜んでくれる。

全てはAの為ではない。
俺の為だ。

Aの喜ぶ顔を見たいが為に、俺はAを手伝うのだ。


そういえば初めの頃はよく食器を割ってしまっていたな。
その度にAに怒られたっけ。

『もう征十郎さんは邪魔なので、リビングに居てください』

Aに邪魔と言われたのはあれが初めてだった。

勿論Aは１枚や２枚程度で怒るような女じゃない。
俺が５枚目を、それも全てAの大切にする食器ばかりを割ってしまったからAは怒った。

今ではそんな失敗はしないがな。

この制度を作ってから、俺は家事が楽しくて仕方無い。
頑張れば頑張る程、Aは楽になり、俺はAの喜ぶ姿を見れる。


Aで思い出した。


「そういえば黄瀬が居ないな」
「あぁ、あいつなら仕事だとよ。Aと同じ現場だ、とかさっきメール着たぞ？」

と言われて水を止めると携帯を探すついでに服で手を拭いた。
携帯どこだ？

おい、俺の携帯…

するとリビングのソファーの方で俺の携帯の着信音が聞こえた。

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