【黒子のバスケ】愛しているから閉じ込める【赤司征十郎】

Story...41 ページ43

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私は廊下に立っていた。
廊下の先にある部屋からは男女の争う声が聞こえる。

引き寄せられる様に行ってしまったのが間違えだったのだろうか。


止めて。
聞きたくない。


「私が外で働いているのに不倫なんてふざけないで！！相手との間に子供が出来たとか許さないわ！」
「大体お前がいつも仕事でAを見ていないのがいけないだろう！？俺だって疲れてるんだよ！」

やめて。


「ハァ！？私のせいって言いたい訳！？ホント最低ね！」


止めて。


「お前のせいだろ！？Aの面倒を全て俺に押し付けてるくせして今更母親面するな！」
「それは貴方の収入が安定しないから私が朝から晩まで働いているからじゃない！」

お願い。

もうやめて。

「もう上手くいかないだろ。俺が出てく。明日役所から離婚届貰ってくるからお前が出せよな」
「えぇ、そうね。もう終わりにしましょう」


やめて。
やめて！

見たくない！聞きたくない！


お父さんは居なくなりお母さんは力なく椅子に座ると、声を殺して泣いていた。


全部私のせいだ。

お母さんもお父さんも悪くない。

私が邪魔だったんだ……


漸く分かった頃にはもう遅くて、家族はバラバラになっていた。


「ごめんなさい………」

誰に謝ったのか分からないけれど私はそう口にしていた。

涙が一粒落ちた気がした。

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