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征十郎さんはゆっくりと顔を近付けて私の唇に甘く優しい口付けをすると、ニコッと微笑む。
「それじゃあ、今日はもう寝ようか」
と言われて頷いた。
征十郎さんは片付けと軽くシャワーを浴びると言って、私を先に寝室に向かわせた。
私は征十郎さんといつも寝るベッドを見る。
このベッドの上で何度、征十郎さんを傷付けてしまったのだろう。
この部屋で何度、征十郎さんを苦しめてしまったのだろう。
この家で何度、征十郎さんを哀しませてしまったのだろう。
私は何度、愛する人を苦しめれば気が済むのだろう。
考えれば考える程、分からない。
征十郎さんにはもっと相応しい女性が居た筈なのに、征十郎さんは初めて会ったその日に私に声をかけたのだろう。
どうして………?
「どうかしたかい?」
いきなり後ろから声を掛けられてビックリする。
後ろを見れば髪から雫が滴り落ちる、征十郎さんが立っていた。
「う、ううん。何でもないです」
「?そうかい?まぁ深くは追求しないが、俺以外の男の事を考えてたら許さないよ」
と征十郎さんは言いながら寝室の鍵を閉める。
そして鍵を金庫に入れるとベッドに腰掛け、肩にかけるタオルで髪を雑に拭いた。
私はそっと後ろから征十郎さんの手を掴み、タオルを取ると征十郎さんの綺麗な赤い髪を乾かす。
「駄目ですよ。折角綺麗な髪なんですから。悼んでしまいます」
と征十郎さんに言う。
「ふふっ。Aに髪を乾かしてもらうのは久し振りだな。それより俺はAの方が綺麗な髪だと思うよ」
と征十郎さんは大人しく座りながら言った。
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和恋 - いえいえ!はい! (2016年6月22日 18時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 和恋さん» コメント返信ありがとうございます!!はい!頑張ります! (2016年6月21日 0時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
和恋 - いえいえ!はい!はい、私もそう思います!いえいえ!続き頑張ってください。応援しています! (2016年6月19日 12時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 和恋さん» 初めまして、ありがとうございます!頑張ります!この二人なら乗り越えられると思います(笑)コメント本当にありがとうございました! (2016年6月19日 12時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
和恋 - 初めまして、続き頑張ってください。征君と夢主ちゃん、凄いです! (2016年6月19日 12時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木戸藍楽 | 作成日時:2016年6月1日 0時