【黒子のバスケ】愛しているから閉じ込める【赤司征十郎】

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[赤司side]



「結婚してからだ。僕がお前みたいに不倫をするのではないかと心配らしい。Aが部屋を荒らさない様に寝室に鍵を取り付けて僕しか開けられない様にするほどだ」

と話す。

「去年妊娠したのにも関わらず、Aは夢遊病で流産した。その後、うつ病と診断を受け今でも精神安定剤を服用している」

と男に言うと男は俯いた。
僕は女を睨み付ける。


「それとAを侮辱するなら許さない。Aは必死に夢遊病を治そうとしている。昨夜なんてたかが夢遊病で離婚の話を持ち出された。いいか？Aは素晴らしい女性だ。心優しく何よりこの笑顔さえあれば、僕は頑張れる」

と写真に写るAの笑顔を指差して言う。

段々と怒りも収まりつつあり冷静を取り戻す。
ひとつ咳払いをして一人称を俺に戻す。


「すみません。取り乱しました。Aの事になるとどうも我を失いやすくなるんです」

と言って俺の中で最高の一枚を出す。


「この笑顔。可愛いと思いませんか？俺はこの笑顔に惚れたんです。この笑顔さえあればきっと何でも出来ると思いました」
「…こんなに無邪気に笑えるんだな……ッ」
「そうです。Aはちらし寿司が大好物で、昨日３食ちらし寿司だったのに、また３食ちらし寿司な時なんてしょっちゅうです。でもそんなところも可愛くて俺は好きです」

と男に言う。
自分でも分かる。

多分俺は微笑んでいる。


「すみません。本当はもう少し早くお知らせしたかったのですが、情報が少なく捜すのが大変だったのです」

と言ってここで初めて名刺を出す。

「Aの話が聞きたければいつでも御連絡下さい。御待ちしております」

と男の前にスッと差し出した。


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