売れ残りなんて言わないで

親子ってやっぱり似るらしい ページ33

楽しい会話が続く。







JN「あ、そういえば。この前、家族でキャンプに行ったんだよ」

「うんうん」


きっと私の知っているキャンプとはかけ離れたものなんだろうな、

なんてひねくれたことを考えながら、

それでもジンの話はいつも面白いから


期待して耳を傾ける。




JN「2日目の夜、俺と母さんが火の回りで暖を取ってたら、両手にジュースとかお茶とか色々抱えた父さんが帰ってきたの。なんでだと思う？」

「え、わかんない…、人にもらった、とか？笑」

大ホテルの会長さんだもん、ありえなくはなくない？

とか思って答えるけど、

帰ってきた答えは爆笑必至の想像する斜め上すぎる回答だった。



JN「自販機ってさ、なんか文字４つがそろったらあたり、みたいのあるじゃん」

「うん」

JN「その時、一本買ってもまだ買えるようになってたんだって。だから父さん、当たったんだって思っていっぱい押したらしいんだよ」

「え、かわいい笑」


JN「でも、違ったの。父さん…。」









「千円札入れてただけだった。」









「ブフォォォォォ」

思わず吹き出してしまう。

そんな私に大丈夫？と見るからにお高そうなハンカチを差し出してくれるジン。



でも、私の笑いは収まらなかった。





JN「父さん、しょんぼりしてたよ」




頭の中に、


卵の殻掛けご飯を製造してしょんぼりしているジンと、

両手に大量の飲み物を抱えたお父様。



ジンのお父様になんて見たことないことないのに、



なぜだか重なってクスッとしてしまった。




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