売れ残りなんて言わないで (ページ25)

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両手で握手！ページ25

JN「鮮度はどうやって保ってるんですか？」

JK「はい、弊社では〇〇製法という特許を取得した…」

JN「農薬の有無はどうやって確認したら良いんですか？…」

JK「ええ、このアプリをインストールして頂いて…」

説明や契約までは、

我が営業部の若手エースのジョングク氏(こう見えて仕事はできる)

が担当した。

緊張感の中でどんどん話は進んでゆく。

JN「最後に、じゃあ…」

バチン、とジンと目が合う。

私は、電話を受けた張本人であることもあり、

ジョングク氏の隣で座っていた。

JN「A、キムホテルとこの会社が業務提携をするメリットは有る？」

…ま、まさかの私に振ってきた！

う、窓の外で見守る営業部…、

いや待って、社長も居る。

とにかく、お偉方までいるこの重圧の中で、

私の一言で契約が決まるかと思うと心臓がバクバクする。

「はい。ええ、御ホテルでは業界トップのリゾートホテルとしてすべての分野においてトップレベルのサービスを提供しておられます。

　弊社は、業界トップではありません。しかし、だからこそ利益だけを求めず、ひとつひとつの食材を厳選し、より良いものをお届けしている自信があります。」

恐る恐る発言する。

ちらっとジンを見ると、

彼はニコっと笑った。

この笑顔は、どういう意味なんだろう。

そう思っていると、ジンが口を開いた。

JN「Aが言うなら間違いないね。

　ジョングクさんの説明もわかりやすかった。
　
　

　では改めまして、これからよろしくお願いします」

柔和な笑顔で、彼はそう言った。

部屋の外から、拍手の音が聞こえる。

私はなんだか、すごい目頭が熱くなった。

「ありがとう」

JN「僕はもともとこの会社の良さは知ってたよ」

本当、彼には頭が上がらない。

ああ、本当に涙出てきそう。

ちょっとうるっとしてると、

私とジョングクの前に差し出された、二本の手。

A)ねえジョングク、これは何…？

JK)先輩、僕にわかるわけ無いですよ

目でジョングクと会話する間も、

ジンはすん、としている。

JN「ほら、握手」

「あ、あ、握手か！」

答えを教えてくれてありがとう、ジン。

こういうのを2人いっぺんにやる人は始めてみたけど。

JN「よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

こうして、私達の契約は成立したのだった。