売れ残りなんて言わないで (ページ2)

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幼馴染ページ2

SG「呼びつけといて遅刻かよ」

「ごめんごめん」

こいつは幼馴染のミン・ユンギ。

結局、一人バースデーが虚しすぎて夜8時半に居酒屋呼び出した。

YG「そうか、Aも30歳かぁ」

「うるさいな、あんたも同い年じゃん。」

YG「俺、この前29迎えたばっか。」

そうだった。4月生まれの私と、3月生まれのユンギ。
クソ、早生まれめ。

YG「まあ、一人バースデーは辛いよな。」

「何その言い方。自分だって退屈してたくせに」

鳥の軟骨を食べながら憐れみの目を向けるユンギ。

YG「退屈じゃない、暇だっただけ。それに暇でも、俺はお前より稼いでる。」

そう。この男、今をときめく小説家。

「幸福な眠り」とかなんだかの本が大ヒットして、今や人気作家だ。

稼いでないわけがない。

YG「まあ、お前の元旦那には負けるけどな。」

「何がよ」

YG「Aの元旦那…ナムジュンさんだっけ？
　
　その人のほうが稼いでるだろうね、って話。」

まだ稼ぎの話続いてたんか。そう思いつつも、まあそうだろうねと返事する。

YG「もう離婚して半年ぐらいだっけか。」

「そーだね。別れたの11月だから。ああそうか、もう半年経ったのかぁ。」

YG「離婚するって聞いたときはびっくりしたよ。普通に仲良さそうだったじゃん」

「んーまぁね。全然仲悪くなかった。むしろ、うん。いい関係だったと思うよ。」

離婚した理由は、元旦那の転勤だ。転勤先は、日本。

近いし、時差もないとはいえやっぱりそこは韓国からしたら異国なわけで。

安月給ながらも自分の仕事に誇りを持っていた私に、
夫の転勤についていくという選択肢はなかった。

彼もそれを理解してくれたし、むしろ転勤が決まったことを申し訳ないと言っていた。

彼は、そういう優しい人だ。
だから、離婚がいざ決まったとき悲しくなかったといえば嘘になる。

24で結婚して、5年間寄り添って来た相手だったから。
追いかけるまでの愛はなかったけど、やっぱり大切な存在だったんだと思う。