【鬼滅の刃】転生したので暗躍しようと思います

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「癸七子、これからお前には何も言わない。儂が放つ型を目で見て完璧に再現してみせろ。いいな」
「一気に難易度上がりましたよ!?」
「生き抜くためだ。死ぬ気で覚えろ。血や肉に叩き込め」
「いいいいいぃぃぃぃやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞ!!!!」


そこから更なる地獄が、もとい修行が始まった。目で見たことを筋肉の動き1ミリまで再現するのは至難の業だった。頭(目)ではわかってても体が動かないとはこの事だ。
かといってこれが出来ていないとなぜか威力がガタ落ちするし、不発だったりする。


「ぜはーっ……ぜはーっ……すぅ――水の呼吸 捌ノ型――」


次の捌ノ型を会得出来たのは新しい修行方法が始まってから１ヶ月後だった。
完璧に再現できて喜んだのも束の間、体が引きちぎれそうなほどの激痛で気を失い、3日間目を覚まさなかった。


……どうやら鏡の呼吸は相手の威力まで再現するため、未熟なこの体では負荷がバカみたいに大きいらしい。
筋肉量、その質、肺活量、握力、体力、脚力、体を自在に操る技術……全てが圧倒的に足りない。

今の私では鏡の呼吸は使いこなせない。

――しかしだからと言ってここでめげる程私の不純な決意は甘くない。


今思っていることと言えば、

「いやー鱗滝さんの水の呼吸の威力凄すぎます。今までの最高威力を余裕で越えちゃいました。何者なんですかっていうね。あ、答えなくていいですよ、聞いたら私の中のなにかが崩れそうなので」
「それだけ元気なら大丈夫そうだな」
「…………」


言 わ な け れ ば よ か っ た 。
である。
言ったら地獄(修行の催促)のお迎えが来てしまった。


分かってはいるけどさ……みんなと並び立つためにはこんなことで足を止めて居られないってことはさ……

でもさ、まだ体バッキバキなの。呼吸するだけでも骨と肉がピキピキ鳴るの。激痛が奔るの。
修行どころじゃないよ、これ。私これ以上修行したら死ぬと思う。うん。


と嘆いても再開するのが修行というもの。
鱗滝さんに、鏡の呼吸を使いこなすためには圧倒的に基礎身体能力が足りていないことを伝えると、修行メニューが改訂されて逆立ちで罠くぐりや柔軟体操、アクロバティックな動きの練習が主になった。バク転とかバク宙とか自衛隊がしてそうな動きをしているときの気分は最早野生児。伊之助くんこんな気持ちだったのかな、開放感すごい。

そうして大分自分の体を自在に操れるようになった頃。

私は12歳になっていた。

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