【鬼滅の刃】転生したので暗躍しようと思います

弐．鏡の呼吸 ページ7

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「それじゃ行ってきます」
「ああ、行ってらっしゃい」
別に今生の別れじゃないんだからと満場一致しかことであっさり別れる私と母。


私はまず体力を付けるべくいくつもの山を全力疾走で登った。
鬼滅の刃と言えば呼吸、呼吸と言えば肺。肺も鍛えるべく高い山の頂上付近を走りに走りまくった。修行っていっても何をすればいいのか分からないので、炭治郎くんがやっていたことを元に死ぬ気で修行した。


すぐにでも鱗滝さんのところに行けば良いんだろうけど、いや行くつもりではいるんだけども、その前にある程度鍛えてから行こうと思った。
じゃなきゃ私が死ぬ。
今だって5回は三途の川を渡りかけたし。


前世においてもザ・文化系。体育祭とか端っこで出来るだけ影薄めていた系である。
今世ではだいぶ体力がついていると思うけど、鬼殺隊士に比べたら月とすっぽん。運動神経も皆無。
これじゃあ鱗滝さんに破門にされる前に追い返されてしまう。


「なんとしてもっ……ぜはーぜはーっ……みんなにィ……会うんだぁ……！はあはあはあはあ……っ」


――死に物狂いで修行し、3年が経ち、11歳になった。


刀の重さにも慣れて、見様見真似でななななんと全集中の呼吸と水の呼吸を何個か会得出来たところまで達した。よくやった自分って褒めてあげたい。


「といっても鱗滝さんに見てもらったら滝に落とされるレベルだろうけど……」
……言ってて悲しくなってきたわ。やめよこの話。


なにはともあれ鬼殺隊士標準レベルには至っただろうと思うことにして、急ぎ鱗滝さんが住む狭霧山へ向かった。


距離は離れていたが3年間鍛えた甲斐あって半日と経たずに到着した。


暗がりを帯び始めた夕暮れ時。


今までに登った山の中で最も勾配のある道を歩いていたら、いつの間にか鱗滝さんが立っていた。
す、すごい。全く音がしなかった。視界にも一度も入らなかった。

「誰だ」と鋭い声。ビクッと体を縮こませ、恐る恐る、しかし大声で自己紹介した。


「ひ、瞳原癸七子です！3年前に冨岡義勇さんにあなたを紹介されたので参りました。ど、どうかわ私を弟子にしてくださいお願いします！」

「……ああ。お前が3年前に義勇の手紙に書かれていた子か……。随分と間が空いたな」
「うぐっ……それについては申し訳ないです。私、元々運動神経が悪いので迷惑にならないように基礎体力を付けていたら……

…………いつの間にか3年過ぎてました」

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