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すごい。少し寝ただけなのに、体から力が漲ってくる感じがする。
あれ。と、意識が覚醒してきて、自分に誰かの羽織が掛けられていることに気付く。
よくよく見てみれば、義勇さんのだった。
「……」
思考が停止した。
すぐに思考回路は復旧したが、混乱の真っ只中。
(え、ちょ、待ってやばいまじやばい今気付いたけど義勇さん隣にいるんだけど、至近距離なんだけど肩当たってるんですけどしかも義勇さんの羽織が私に掛けられているとか美味しすぎるシチュエーションなんだけどやばっ義勇さんの羽織めっちゃいい匂いってなに変態みたいな事を抜かしてんだ義勇さんからいい匂いするなんて誰でも知っとるわこのすかぽんたん!
……あれ、なに言ってんだ私?)
と、取り敢えず返そう。
顔に埋めたいおっさんみたいな衝動を必死に抑えながら羽織を義勇さんへ返す。
しかし心は混乱の渦。
「え、ぅあ、くぁwせdrftgyふじこlp」
混乱しすぎて言葉じゃない言葉が出た。
本当は「掛けてくれてたんですね、ありがとうございました」って言うつもりだったのに。
それを聞いた義勇さんが真顔でジッと私を見つめてくる。やめて見ないで心臓止まりそう。歓喜2割と羞恥8割りで。
「ぁ、ぇと……か、掛けてくれてたんですね、ありがとうございました」
「……ああ」
やっと混乱が収まってちゃんと言えたけどもう遅い。
気まづい雰囲気になって冷や汗が頬を伝うが、羽織を羽織った義勇さんがすぐに言葉をかけてくれた。
「やっと落ち着いたな。これでも食べながら状況を説明しろ」
そう言って渡されたのはおにぎりだった。
「え、良いんですか……?」
「いいから食え」
「じゃあ遠慮なく……」
ここ最近食事を受け付けなかったから食べれるか不安だったが、1口入れた瞬間、今までに感じたことのない美味しさが口の中に広がった。
(美味しい……!)
がっつくように頬張ると、それを見ていた義勇さんの口元が
ぼっ、と頬に熱が集まるのがわかる。
鼻血出そう……。
(……いやいや落ち着け、今のはきっと幻覚だ。自分の欲で勝手に脳内補正が掛かったんだ、うん)
すーはー。
深呼吸して、思考を落ち着かせてから説明を始めた。
「時間が無いので端折りますが私はとある理由で何時かは不明だけど鬼舞辻がある家族を惨殺する情報を得てました。理由は教えられません。そして今それが起きようしている。
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雛月りな(プロフ) - 華さん» コメありがとうございます!自分でもこんなに手の込んだ展開が書けるとは思っていませんでした笑。(こっからネタバレかも→)まだ伏線回収がなっていないものがあるので楽しみにしていてくださいね!…皆さんが受け入れてくれる内容かは不安があるんですけど、アハハ (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - noiseーノイズさん» 主人公ちゃん可愛い雰囲気出てましたか!?いつも「口調悪い……もっと可愛くしたい……」と思いながら書いていたので、noise-ノイズさん(名前合ってますか?)のコメント嬉しさ半分と驚き半分で読ませて頂きました!バトル楽しんで頂けて良かったです!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - ひにゃたこさん» ありがとうございます!これからも神でいられるように頑張ります笑。嬉しいコメントありがとうございます!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
華 - 凄いしか出てきません!!とても面白い展開で、ワクワクしながら見させて頂きました!!大好きです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2aa6dd9a8d (このIDを非表示/違反報告)
noiseーノイズ(プロフ) - よ、読みやすいっ.....!主人公ちゃん口調とか可愛い雰囲気を感じるのに物語はすっごいバトルですね!いやぁー読んでて楽しいです!更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年8月5日 18時