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その答えに辿り着いた時、その場で崩れ落ちていて、気付いたら人目を憚らず喉が潰れんばかりの慟哭を上げていた。

――先日の出来事から思考を現実に戻すと、あたりは嵐が過ぎ去ったあとのようにズタボロになっていた。




絶望の淵にいる私の手の平にひとひらの()が舞い落ちる。

(雪……あれ、もうそんな季節か……)

「雪、雪……………………雪?」

なんだろう、この雪、やけににひっかかる……

なんだっけ……思い出せない

だめ、思い出せ、雪だ……雪……

私はなにか忘れている気がする……

……雪……

「……………………………………ぁ」

(そうだ、思い出した)

「ぁ、うあ………ああああああ」

そうだ。

そうだった。

雪だ(・・)

物語が始まった季節は、冬(・・・・・・・・・・・・)

雪が一面に振り積もっていた。

つまり……つまり、この雪は……



この季節に物語が始まるかもしれないという合図――



なんで、今まで気づかなかったの?

こんな、こんな、初歩的なことに。

「……ッ、もしかして……」

私はハッとして、必死に日中に出現した鬼の場所を思い起こした。

今まで出現した数は、14()

それが現れた場所は……



…………炭治郎くん達が住む家の反対側だ。




「……くそっ!やられたッ!!」

やはりこれは物語が始まる前兆だったんだ!
鬼舞辻は何らかの方法で太陽に当たっても死なない鬼をつくり、囮に使った。

己が向かう場所の鬼殺隊の警備を手薄にするために。

鬼殺隊はその作戦に見事嵌められてしまった。

いや、私が余計な事をしたからか。

今、炭治郎くんが住んでいる付近には数名の鬼殺隊員しかいない。しかも実力は未熟。

私が的確な情報を伝えなければここまで手の平で転がされてはいなかっただろう。

私が、私だけが鬼舞辻の思惑通りに動いていた。
私が、あの優しい家族の殺しを手助けしてしまった。
私が、余計な事をしたから――!

(くそっ!くそっ!!くそっ!!!)

もうここまでくれば物語が始まるのは秒読みだ。

「ハッ……!!」

そこで再び今更(・・)気付く。

それに気づいた刹那、堰を切ったように私は叫んだ。

「疾風!!今すぐ私のところに戻ってこい!!!!」

数秒して疾風が近くまで戻ってくると、手にした手紙を上空へ放った。

更に急加速してそれを(くちばし)で受け取る疾風。

一体何事ですか?と首を傾げる相棒に対し、癸七子は焦った声で叫んだ。

。→←。



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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生   
作品ジャンル:アニメ
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雛月りな(プロフ) - 華さん» コメありがとうございます!自分でもこんなに手の込んだ展開が書けるとは思っていませんでした笑。(こっからネタバレかも→)まだ伏線回収がなっていないものがあるので楽しみにしていてくださいね!…皆さんが受け入れてくれる内容かは不安があるんですけど、アハハ (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - noiseーノイズさん» 主人公ちゃん可愛い雰囲気出てましたか!?いつも「口調悪い……もっと可愛くしたい……」と思いながら書いていたので、noise-ノイズさん(名前合ってますか?)のコメント嬉しさ半分と驚き半分で読ませて頂きました!バトル楽しんで頂けて良かったです!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
雛月りな(プロフ) - ひにゃたこさん» ありがとうございます!これからも神でいられるように頑張ります笑。嬉しいコメントありがとうございます!! (2019年8月17日 10時) (レス) id: e209b0612b (このIDを非表示/違反報告)
- 凄いしか出てきません!!とても面白い展開で、ワクワクしながら見させて頂きました!!大好きです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!! (2019年8月17日 3時) (レス) id: 2aa6dd9a8d (このIDを非表示/違反報告)
noiseーノイズ(プロフ) - よ、読みやすいっ.....!主人公ちゃん口調とか可愛い雰囲気を感じるのに物語はすっごいバトルですね!いやぁー読んでて楽しいです!更新頑張ってください! (2019年8月17日 1時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛月りな | 作成日時:2019年8月5日 18時

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