【鬼滅の刃】転生したので暗躍しようと思います

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爆風が癸七子の頬をなぶる。

半狂乱で放ってくる連続の殴打をするりするりと躱し、しかしキリが無くなって腕を切断する。

半瞬遅れて血飛沫が舞う。

「お前はなぜ太陽の下でも活動出来ている、鬼舞辻の仕業か」
「人間如きがァ！あのお方の名を口にするなああああああああﾞあﾞァﾞァﾞ!!」

怒りの色がさらに濃くなる。
それに呼応するように切断面の筋肉が内側から沸騰しているかのようにボコボコと膨張と収縮を繰り返す。
再生する。

(……！再生が早い！)

再生しきる前に頸を斬ることもできるが、一度距離をとり声を張り上げる。

「鬼舞辻はお前になにを施した！答えろ！」

だが、全く聞く耳を持たない。
「ックソが……！」舌打ちしてダメもとで鬼に肉薄した。



――水の呼吸 肆ノ型 打ち潮



手足を斬りとばし、背後をとって耳元で囁く。

「鬼舞辻について知っていることを全て話せ」

しかし。

「死ね死ね死ね死ﾞねﾞえﾞェェェェ!!!」

(……だめか)

これはもう何度問い詰めても無駄だと悟った。

(斬るしかない、か……くっそッ)

水の呼吸 壱ノ型の構えをとる。

鬼は瞬く間に手足を再生させて、振り返り様に拳を振るう――寸前、刀を頸へ滑らせ――





――その刹那、黒いナニカ(・・・・・)が鬼を喰らった。





ばくんっ！

(は――)

ソレは鬼を呑み込むなり鬼と共に消滅する。

それはまるで魔法のような……超常現象。

衝撃的な光景のあまり、唖然と驚愕で開いた口が塞がらない。

ぽつん、と取り残されたような気分だ。

(何アレ何アレアレ何!?

黒い球体みたいなものが何も無いとこから現れたんだけど?!
魔法で生み出した炎みたいに突然現れたんだけど?!

何、アレ!!)


パニックがパニックを呼び、頭の中がしっちゃかめっちゃかになる。

お、落ち着け。こ、呼吸をするんだ。

「すー……はー……すー……はー」

よ、よし。少しづつ整理していこう。
なんとか正常思考に持っていき、落ち着いてさっきの出来事のおさらいをする。

先ず、私が鬼の頸を斬ろうとした瞬間、それより一瞬早く鬼の背後に黒い小さな点が空中に突如として現れた。

次に黒い小さな点は、渦を巻くように大きくなって球体へと形をなし鬼の巨体を越えるまでに肥大化。

そして、口(？)が裂けて一口で鬼を呑み込んで消えた。

まるで、魔法みたいだ。
でもこの世界でそんなものが存在するのか？
世界観崩壊もいいところだ。

(ありえるのは血鬼術……、だけど……)

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