女だけど真選組総長やってますが何か？ ６

ミツバ篇 ページ2

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パチッ、と目が覚める


目の前にはいつも通り木目の天井と垂れ下げられている照明が広がる


先程の美しい景色は夢の彼方ヘ消えてしまったらしい






気怠げに起き上がるとボサボサの髪が目にかかってウザったい


目が開かないので手探りでいつもつけている結紐を手に取り、モタモタと髪を縛る








＿ﾌﾟﾁｯ







『あ？』






しかし結び終わる前に紐が千切れた。
かれこれ５年くらい使い続けてるからそろそろ寿命なのだろう



けれど捨てる気にはなれない、というか捨ててはいけない髪紐


千切れるたびに糸で修正して長年使い続けている






今日も直さないと。

若干面倒くささを感じて溜息をつきながら裁縫道具を手に取る




針穴に糸を通そうと奮闘する。
裁縫ってこの作業が一番面倒くさいよねぇ





でもあと少しで入りそ――








土方「おい起きろいつまで寝てる気だ！
もう稽古始まってんだよ！！


·····なんだ起きてんじゃねーか」




『今の大声で完全に勝機を逃した』




ノックもなしに入ってた土方の大声で糸は針穴に入ることなく行き過ぎてしまった


また振り出しに戻った作業に土方を恨めしそうに睨む









『お前マジ巫山戯んなよ。
稽古が始まってる？こっちはもっと前から大事な勝負が始まってんだよ。


今土方のせいで負けましたぁー。もう今日終わりましたぁー、序に土方も終わってしまえー』




土方「なんで起こしに来たのに俺が悪いみたいになってんだ！？

俺は終わんねーかんな？！」




後ろで怒ってる土方を無視して針穴に糸を通す作業に戻ると土方も覗き込んでくる

それに気づきながらも作業を止めずに続けると土方が声をかけてきた







土方「お前また結紐(それ)直してんのか。
いい加減買い換えるなり髪切るなりしたらどうだ」



『別にどの結紐使おうが勝手だろ。

あと髪の毛は女の命っていうから髪の毛は切りませーん。そんなことも分からないからモテねーんだよ土方』



土方「ちょっと倉庫にいい感じの紐(縄)あったから取ってくる。
お前の本当の命断ち切ってやるから待ってろ」



『あぁ、その紐(縄)なら総悟が持って行ったぞ。
土方暗殺の道具に使えそうだからって』




土方「総悟ォォォォォォォォ！！！！」










ドタバタと廊下に出てく土方の声を背に針穴に紐を通す



今度こそ糸は針穴に入っていった




勝ったぜ！！フゥ！！

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