甘い、苦い、甘い【短編集】 (ページ3)

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シリウス×レイブンクロー生×片想いページ3

学生時代の話です

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貴方side

私はよく図書室で勉強している

もちろんレイブンクロー生の名に恥じぬようにというのもあるが、ここ最近彼に会うためというのもある

彼、と言っても話したこともないが最近よくここに来るのだ

シリウスは問題児のジェームズ・ポッターとよく一緒に居るのを見かけるのだが、ここに来る時は大体1人で来る

珍しいと最初は思ったが今となればまた一人で来たと思うぐらい

「ここ空いているかい？」

『…えぇ空いているわ』

視界に入ったのはシリウスだった。驚いたが目を羊皮紙に戻し、また羽根ペンを動かす

「君いつも勉強しているよね。飽きないの？」

『飽きないわ。貴方こそ何をしているの？』

「俺は…ただ本を読んでいるんだ」

『そう…』

しばらくの沈黙が続く

「またここに来てもいいかい？」

『もちろんよ。それなら今度貴方のおすすめの本教えてちょうだいね？』

「あぁじゃあまたな」

それから私とシリウスは度々お互いおすすめの本を紹介したり、雑談したりしていた

とても楽しかった

そして気づいてしまった

私はシリウスに恋心を抱いていた

でもそれからシリウスはぱたりと来なくなった

別にいつもの生活に戻るだけ

なのにこんなにも胸が苦しい

気を紛らわす為に私はただひたすらに、ペンを動かす

モブ「ちょっとシリウス…ここじゃダメよ」

シリウスの名前が聞こえ顔を上げた

そこには女の子とシリウスが居た。距離が近く多分恋人なんだろう

「別にいいじゃねぇか。誰も見ちゃいねぇ」

そう言って深く、深く、口付けをしていた

気づきたくなかったこんなこと

気づきたくなかったこの気持ち

私はまた羊皮紙に目を落とした

『やだ…ちょっと眠いのかしら、視界がぼやけてるわ……』

私の独り言は静かな図書室に消えていった