その49 ページ50
三日月と石切丸は一旦、退室し、廊下に出る。
三日月「石切丸、アレはなんだ？」
石切「……恐らく、あの時のまがい物の残しカスみたいなものさ。……くそっ。御神刀でありながら主の穢れを断ち切れなかった。」
あの時とは、審神者を襲った人間だった者を石切丸と青江が斬った時のことである。あの時、石切丸は陸奥守が斬ったという親の縁はじつは完全に切れてなかったとわかったあの時。そのまがい物の穢れとともに縁を完全に斬ったはずだが、まだ……審神者とその親の縁を結びつける何かのせいで石切丸は穢れを断ち切れなかったのだ。
三日月「繋ぎとめる何か……か。主を…幼子をほったらかしにしたのにか。」
石切「ほったらかしにしても子は子。親子の絆と言っても過言じゃないよ。」
三日月「……絆か。」
三日月は雨が止み、雨雲から顔を出した月夜を見上げれば、数多の星が輝き出す。
石切「とにかく…後は薬研さん達に任せよう。これ以上、私たちが何か出来るわけでもないしね。」
三日月「……そう、か。」
前田「三日月様！石切丸様！…」
三日月が悲しげな顔をすると背後から二人の名を呼ぶものがいた。前田藤四郎だ。
三日月「……前田ではないか。盗み聞きとは…よくないぞ？」
前田「す、すみません。盗み聞きするつもりはなかったのですが……それより、さっきの話しは本当ですか？」
三日月と石切丸は今更隠しようがなく、前田に目で訴えた。前田は「そんな…」と悲しげな顔をするが何か思いついたような顔をする。
前田「そうだ……そうです！大典太さんなら主君の病気を治せるかもしれません！」
石切「そうか……彼なら！」
三日月「ふむ…しかし、あやつが倉から出てくるとは思えん。」
大典太は前任に霊力が強すぎると言われて倉に入れられた刀剣であり、三日月と同じ天下五剣の一つである。枕元におけば病が治ると言われている。しかし、霊力が強いのは事実で山姥切や大倶利伽羅より上の一匹狼である。
前田「僕が説得して参ります！大典太さんとは毎日、話していますから！」
そういうと前田はタッタッタと三日月たちの前から去って行った。
三日月「……大丈夫だろうか。」
石切「今は前田さんに任せよう。彼を信じて待ってみようじゃないか。」
三日月「しかし………そうだな。」
石切丸と三日月は審神者の部屋に戻り、看病に戻る。一方……倉では。
？？「………なんだ、この禍々しい気配は」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1095人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七夏(プロフ) - 私の初期刀と初期鍛刀がカッコいい (2021年1月16日 0時) (
レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
黒澤 - 失礼します9話の中で、いつのまにとありますが間と言う字が門構えに日ではなく門構えに月になってますよ (2018年11月20日 0時) (レス) id: fbcd9c1eff (このIDを非表示/違反報告)
匡(プロフ) - その35の「一期を審神者に」ではなく「一期に審神者を」の間違いではないでしょうか？ (2018年9月28日 12時) (レス) id: 883bce3052 (このIDを非表示/違反報告)
劇団ドレミ座(プロフ) - 失礼します。第9話にて誤字があるかと。「前歩多難」ではなく「前途多難」ではないでしょうか？ 更新頑張ってください！ (2018年9月28日 12時) (レス) id: 172237b647 (このIDを非表示/違反報告)
SnowWhite(プロフ) - 面白いです！これからもがんばってください！ (2018年9月28日 2時) (レス) id: a193451525 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：編集下手くそマン | 作成日時：2018年9月23日 10時
