世界が嫌いだったんだ。(ONE PIECE)

20.甘いコーヒーの朝 ページ21

《Robin side》
いつもより早い時間に起きてしまった。
あたりはまだ少し薄暗く、朝日もまだ半分しか顔を出していない。
隣で寝ているナミを起こさないように、ベッドを降りる。
新しくフランキーが作ったベッドに、Aの姿はなかった。

静かな船内に、私の足音だけが響く。
サンジはもう起きているかしら。
もし起きていたら何か淹れてもらおう。
寝ている間に喉が渇いてしまった。
朝だからコーヒーもいいが、温かい紅茶も悪くない。
今日は彼のおすすめを淹れてもらおうか。
そんなことを思いながらキッチンのドアを開けた。


「あら」


微笑ましいものを見た。
サンジとAがソファで眠っていた。
落ちないように抱き合いながら、気持ちよさそうに。

Aがベッドにいないからどこに行ったのかと思えば、こんな所にいたのね。


「ふふふ」


２人を横目に自分でコーヒーを淹れる。
そして、椅子に座る。
ソファの２人を見ながら、この静かな空間を楽しんでいた。


「ん…」


「あら、おはよう。いい夢は見れたかしら」


ゆっくりと起き上がるサンジにからかうように声をかける。
やっと頭が回ってきたのかボッと顔を紅くする彼。


「大丈夫よ。誰にも言わないわ」


「やっぱ、見てたよな」


恥ずかしそうに頭を掻く姿を見て、コーヒーを口に含む。
ああ、何だか先ほどより甘く感じる。
砂糖もミルクも入れていないけれど、今日はいいシロップがあったから。


「ふふふ、今日は一日いい日になりそうだわ」




だって、朝からいいものが見れたんですもの。


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