縁側の幸せ2 (ページ23)

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それから数日が経ち、検査の結果も異常無しだと分かった頃
あと2週間ほどで退院して、それ以降は傷口を見せに通院に切り替えるという話を医師からされた

倫也は仕事がない限りお見舞いに来てくれている
と言っても忙しいので1、2時間程度だが
今日もたまたま昼からの仕事がなくなってお見舞いに来てくれた

「地方で撮影だったんだけどね、飛行機が飛ばなくてまた来週になっちゃった」

『それは…残念？』

「俺はラッキーだけどね、天気が良かったら今日来れてなかったから」

ね？と確認する様に微笑む倫也にAはか細く『そうですね…』と呟き恥ずかしさを隠す様に倫也の持ってきてくれたプリンに手を伸ばした

『これ美味しい…！久しぶりの甘い物だから染みる…』

「あはは、良かった。そろそろ普通のご飯食べられるって聞いたから」

『ありがとうございます！』

ニコニコ笑ってプリンを食べていたAの手がピタッと止まりそういえば、と話し始める

『退院決まったのは良いんですけど、私の髪一部ハゲてるんですよね…』

「え…？あぁ！それは仕方ないよ、治すためでしょ？」

『でも…包帯取った後どうやって生活しようかなーって、いっその事全部剃ってカツラにするかな？とか結構悩んでるんですよ』

「それはやめといた方が良いね、帽子でも被ってなよ。プレゼントするよ」

『いや、良いですよ！今は帽子持ってないですけど、包帯取れるのまだ先ですし…退院したら自分で買いに行けますし…』

「包帯巻いたまま買い物行くの？」

『確かに…それは勇気が…でもそれならネットで買いますよ、ネットならすぐ届くし！』

「まだ住所不定なのに？」

『そうだ、まだ契約できてない！前の家に…』

「それはダメだって警察にも言われたでしょ？大人しく俺にプレゼントされててよ」

『うーん…じゃあお互いにプレゼントしませんか？約束すっぽかしたお詫びと、お見舞いのお礼に何かプレゼントしたいです』

「気にしなくて良いのに…まぁそうしよっか、買い物行くのは疲れると思うからAは俺の住所使ってネットで買ってね？」

はーいと返事をしつつ2個目のプリンに手を伸ばすと倫也が笑みを漏らした
まだ食べるんだと思われてるんだろうなと思いつつもAの手は止まらない、それ程までに美味しいプリンだった