縁側の幸せ2 (ページ14)

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『それじゃ、失礼します。ありがとうございました。』

「はい、こちらも解決する様に力を尽くしますので、また何かありましたらお電話ください。」

見回りだけではなく具体的に動いてくれる事に安心したのか朝の足取りとは打って変わって気持ちまで軽くなったAは少し余裕を持てている様で真っ直ぐホテルに帰らず少し寄り道をする事にした

『ドーナツ食べたい…』

時刻は昼の0時を回っていてお腹が空いたAがポツリと呟くとホテルでは無く職場のある方へと足を進めた
職場近くのビルの1階にドーナツ屋さんがあった事を思い出したのだ

ドーナツ屋に着き一通り種類を見渡した後、少し悩んで明日の朝ご飯にもなるから、最悪夜ご飯にもなるし等と言い訳をしながら欲しいものを全て買う事にし
ドーナツ屋を出たAはお持ち帰り用の大きなボックスを手に下げていた

『これだけあればドーナツ欲も満たされるでしょ』

高木への相談で不安もなくなりドーナツも手に入れたAは確実に浮かれていて、ルンルンという擬音が似合う程だった

実際は昨日から何も解決していないし、ドーナツは1口も腹の中には納まってはいないのだが
そんな事はお構いなしにホテルへと気分よく足を進める