18話 ページ20
Noside
誰もが、確信した。
彼女は……天才だ、と。
いかに自分達が、まだまだだったか。
…飲み込まれる。
彼女の芝居は、そんな力があった。
圧倒、圧巻。
雄)「…なんで」
あ)「え？」
雄三が彼女に呼びかける時。
彼女…いや、”ジュリエット”から”染井A”に引き戻される瞬間だった。
パチンと、泡が弾けたように、皆もハッとする。
雄)「…お前、何でこんな所にいるんだ」
あ)「…っ。すみません…！」
監)「ぁ…Aちゃん！」
酷く傷ついた顔をしたAは、でてってしまった。
至)「…今の言い方、どう言う意味ですか？」
至の言う通り、さっきの言い方には語弊が含まれた。
”どうしてこんな所にいるんだ”
即ち、”お前がいていい場所ではない”と、とれるのだ。
…勿論、雄三はそんなつもりは毛頭ない。
雄)「あれを見て、何も思わなかったのか！？」
珍しく興奮すり雄三に、亀吉がびっくりする。
監)「えーっと、上手だなぁって…」
雄)「上手？そんな言葉で片付けられないぞ」
碓)「…だから」
そう。
真澄の言う通り、皆、その先が知りたいのだ。
雄)「彼女は…天才、だ。何で今の今までデビューしてないのが不思議なぐらいだ。ありゃ、何だ。俺は、久しぶりに鳥肌がたっちまった」
天才。
それは6人の心に鈍くのしかかった。
と、同時に、何故芝居をしないのか。
疑問が湧いてきた。
あんなに…生き生きとしているのに、だ。
あなたside
どうしよう。
どうしようどうしようどうしよう。
恥ずかしい。
穴があったら、入りたい。
何を自信満々にやってたんだろう。
”なんでここにいるんだ”と言われるぐらい、私は下手だったのだろう。
それを、あんな…
あ)「…死にたい」
今日は、皆に合わせる顔がない。
ご飯も食べれる気がしない。
…悔しい。
悔しくて悔しくて。
顔は赤くなり、目からは涙が滲む。
好きだけじゃ、ダメなんだ。
独学だけじゃ、何も得られないんだ。
…私も。
私だって、皆と同じように…！
あ)「…ダメだ。それじゃあ、十ちゃんに会えない…」
苦し。
大好きな物を出来ないって。
せめて、大好きな芝居の近くにいれば、気が済むと思ってた。
なのに。
どんどん、貪欲になってく。
演じたい。
役がほしい、稽古したい、動きたい…！
手が、口が。
勝手に動き出す。
衝動を抑えるのに、必死だ。
あ)「十ちゃん、助けて。…辛いよ」
昔。
十ちゃんがくれたぬいぐるみを抱きしめる。
あぁ、早く。
早く会いたい。
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夢花 (仮垢) - またまたすみません、8話のとこ、「一様」じゃなくて「一応(いちおう)」ですぞ〜…こーゆーのって結構気になっちゃう性格でして(;´∀`) (2019年1月28日 19時) (
レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 (仮垢) - 7話の所、「どこかえ」ではなく「どこかへ」ですよ〜。その他所々脱字があるので、一度確認するのをおすすめします。こーゆーテンションの夢主ちゃん好きよ← (2019年1月28日 19時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なーこ | 作成日時：2017年3月2日 14時
