命令4ー3ー8 ページ42
「岩原、さん…………？ た、確かに、屋島君は私達の大切なクラスメート、ですが………」
「何か問題でも？ 彼は不慮の出来事で首が斬れてしまい、出血多量で死んでしまった。 それだけじゃないですか。 それとも何ですか？ 首という蓋と血が失われて屋島元というニンゲンがタンパク質の塊と成り果てたら、もうこの
雪乃は氷川にそう言い放つと、血が失われた首の無い元の体を抱えて元の席に座らせた。
「そ、そんな事は………」
氷川は何かを言おうとしたが、それ以上何も言わず、「自習してて下さい」と言って教室を出ていった。
雪乃は何故か満足げに元の血が付いた制服を見下ろすと、スキップの様な足取りで席に戻っていった。
藍はそんな雪乃の様子を訝しげに見つめつつ、自身の立てた仮説からして、雪乃の行動を制止するのは死を意味する事を踏まえて黙った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
そして、それから数時間。
あと2分で日付が変わる、という時間。
藍は雪乃のアドレスに電話するか悩んでいた。
彼女が王様ゲームに関わっているとは断定出来ないが、
普通の人間なら、人が死ぬ、という場面に出くわしたら、ほとんどの人が恐怖を覚えたり、叫んだり、気を失ったりする。
藍の場合は、身近な人間が似たような状況下で死んでしまった事もあり、他の人に比べたら多少、人が死ぬという状況に慣れている(慣れているという発言すらおかしいが)。
しかし、雪乃は(まぁ、彼女の家庭環境なんて知らないので分からないが、)人が死ぬのは当たり前、みたいな顔をしている。
彼女は＿＿＿雪乃はクラスにあまり馴染もうとしない、ある意味孤立していた少女だ。
唯一会話をしているのを見たのは、幼い頃から共に過ごしている律子のみ。
律子曰く、「特殊な家庭環境で育った子だから許したげてー」らしい。
両親が医療関係者や病院勤務とかならあながちあり得るかもしれない。
そんな事を考えて、藍はケータイの電源を切ると、床に寝っ転がった。
と。
ピリリリリリリ！
ケータイのメールの着信音がした。
壁掛け時計を見ると、深夜0時。
新たな命令が届く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仲矢みりり - 桜崎 紗代さん» ありがとうございます！ 凄くうれしいです。 夢が小説家なので！ 返信遅れてごめんなさい！ (2018年3月17日 18時) (
レス) id: 8503f2d058 (このIDを非表示/違反報告)
桜崎 紗代 - 表現の仕方、王様のメールの内容などなど、凝っていてすごいです…！小説家になれるぐらい上手です…！尊敬します！ (2018年3月8日 20時) (レス) id: 30a558eb97 (このIDを非表示/違反報告)
仲矢みりり - コユキ(非ログ)さん» 嗚呼ああああ、レス押すの忘れました；；申し訳ないです (2017年9月23日 18時) (レス) id: 8503f2d058 (このIDを非表示/違反報告)
仲矢みりり - 有難う御座います！うれ死すです！ 後程作品を拝見させて頂きますね！ (2017年9月23日 18時) (レス) id: 8503f2d058 (このIDを非表示/違反報告)
コユキ(非ログ) - 仲矢みりりさん» お久しぶりです！返信遅れてすみません！！とても面白い作品ですよ！私も見習わなくては…(笑)ありがとうございます！後程ご紹介させていただきますね！これからもがんばってください♪ (2017年9月23日 17時) (レス) id: dc136b33d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緑川みりり | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hpmpenakaya
作成日時：2017年4月20日 23時
