狂犬と事故チュー【今日から俺は！！】 (ページ36)

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＿⑥ ページ36

「ご、ごめん…待った？」

「今来たとこ…行くか」

そこに待っていたのは相良。そう…なんと…私は相良の彼女に昇格したのだ！よっしゃ！大声で叫びたい気持ちを抑えつつ相良の後について行く。

昨日の相良からの突然の告白。

頭の中は真っ白になって一瞬何が起こったか理解出来なかった。

自分から告白しようと思ってたのに相良に告白されるなんて…なんて素敵なんだ。夢じゃないかと何度も頬をつねって確かめたけど、痛くて夢じゃないって分かって嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

でも冷静になった頭で相良の言葉を1つ1つ考えるとなんで私が好きなこと知ってんだ？

相良のこと好きって言ったのは妹と…京子ちゃん、明美ちゃん…それと片桐。ん、片桐？

あいつ喋ったな。絶対あいつだ。今度逢ったら殴る。なにが開久の頭だ。そんなの関係ねぇ。殴ってやる。

そんなことを考えてると相良が立ち止まって振り返る。うわイケメンが目の前に。あ、相良か。

まだなれない…そりゃそうだ、だってまだ付き合って1日もたってないし！

「なぁ」

「な、なに」

「…これからはAって呼んでもいいか…？」

「っ…！いいけど…」

名前呼ばれるとか…嬉しすぎるだろ。明日京子ちゃん達に自慢決定だ。

「A」

名前を呼ばれてドキッと胸が鳴る。なんだよって言ったら。

「別に呼んだだけ」

と言って相良はまた歩き始めた。

は、はぁぁぁぁぁ？！！

なんなのあいつは！呼んだ…呼んだだけって！こっちがどんな気持ちか知らないで！

だったら私も呼んでやる…でも恥ずかしいな。くん付で呼んだ方がいいか？でも柄じゃないし…あぁ！もうめんどくさい！！

早歩きで相良に追いついて。

「…た、猛！」

「あ？」

「べ、別に…呼んだけでーす」

どうだ私の気持ちがわかったか！チラッと相良を見ると手で口元を覆っていて、顔は真っ赤になっていた。

「え、顔真っ赤」

「う、うるせェ！！見んな！」

相良が照れるから私も恥ずかしさが増してまた顔に熱が集まるのを感じる。

なんだよ…あんたが照れるなら私も照れるじゃんか。

まだ名前を呼ぶだけで照れるし、手も繋げないけど…。

もっと恋人ぽいことしたい。

そんなこと口が裂けても、殺虫剤かけられても言えない。

＿まだまだ素直になれない2人であった。