狂犬と事故チュー【今日から俺は！！】 (ページ23)

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＿② ページ23

男たちの後ろには相良がいた。でもいつもと様子が違う…。男たちもそれに気づいたのか怯え気味で話し始める。

「さ、相良さん！…こいつが片桐さんにしつこく付き纏うんで俺たちで何とかしようと…思って…」

「は？しつこくなんて付き纏ってないですけど？片桐の了承を得て此処に来てんだよ」

「て、てめぇ！そんなつまんね嘘が通じると…」

男が言い切る前に相良が後ろから蹴りを入れた。

「おい、てめぇら聞いてんのか？こいつは智司の客だ。手ェ出すんじゃねェよ…」

相良に睨みつけられたのがそんなに怖かったのか、蹴りがよほど痛かったのか私には分からないが男たちはそそくさと逃げてった。

…相良に助けてもらっちった。顔には出せないけどすごい嬉しい！！あ、今日いないと思ってたから雑誌持ってくんの忘れた…。

「…ありがと。この前の雑誌持ってくるの忘れたからまたこ」

「智司と何コソコソしてんだ…？」

「へっ？」

そーれーは…。言えない言えない！言えるわけがない！貴方に好きになってもらう為に貴方好みの女を調査しております。なんて言えるか！

それに、ここでバレたら…。相良に振り向いてほしくて唇紅変えたことやトリートメントをちょっと高いやつにしたのが全部水の泡だ。

相良好みの完璧な女になって告白を成功させる為にはここは何とかせねば！

「…別にただお話をしてただけでーす」

「それが何でちょくちょく来てんだよ。お前らいつ仲良しになったんだよ」

「色々あったんだよ。用事済んだから帰る」

「…智司のこと好きなのか？」

強引に話を終わらせその場を立ち去ろうとすると相良に止められた。

は？智司？え、智司ってあの片桐？すごい誤解が生じてるじゃねぇか！！

「は？別に片桐のこと好きじゃないし。勝手に決めつけないでくれる？」

片桐じゃなくて相良が好き…。その為に今頑張ってんだよ。だからもうちょい待って！

「だったらもう一人で開久に来んな」

「私があんたの言う事を、素直に聞くと思ってんの？」

「いいからもう来んな！」

ビクッと肩が震えた。なんで、なんで相良は怒ってんの？分からない。私なんか気に触ることした？…でも、相良の言う事は聞けない。まだ片桐にも聞きたいことが山ほどある。

「…あんたには関係ないでしょ、退けよ」

相良は黙って何も言わない。相良を振り切って行こうとすると相良に腕を掴まれた。それも結構強い力で。

「痛ったいな…何すんだよ！」

「…いい加減にしろ！！」