第111話 ページ14
今日はホワイトデー
みんながバレンタインのお返しに手料理を作ってくれている
気持ちだけで十分なのにな...
「Aちゃん、完成したよ」
『わぁ!凄い!』
机には1口サイズのケーキがたくさん並んでいる
「みんなで頑張って作ったんだぜ!」
「可愛いでしょ〜?」
『ありがとう。嬉しいよ』
「良かった」
「たくさん食べてくれ!」
『うん!』
「こ、これ僕が作ったんです」
「これは俺!」
『ありがとう!いただきます』
どれも美味しくて食べ過ぎた...
これは明日からダイエットだな...
そういえば...
『三日月さんは?』
「それが、用事があるみたいで」
『そうなんだ』
最近、三日月さんと居る時間が付き合い始めた頃と比べると少なくなっていた
恋仲になって1ヶ月だ
これが、マンネリというやつなのか?
「気になるか?」
「それは...まぁ...」
「浮気だったりしてな」
『三日月さんに限って、そんなこと!』
「無いとは言い切れないだろ。三日月に言い寄ってくる女は居るからな」
『えっ...』
「おい!余計なこと!」
「事実だろ。この間も万屋で美人に声かけられてたじゃねぇか」
『そうだったんだ...』
この1ヶ月、三日月さんと一緒に居たけど
三日月さんのこと、知ってるつもりで何も知らなかったんだ
私は綺麗でもないし、三日月さんの隣に並んでも釣り合わない
そんなこと分かってる
でも、それでも...
三日月さんの隣に居たい
「用事も、もしかしたらその女と__」
『三日月さんに真相聞いてくる!』
「ちょっと!A!」
「行っちまったか」
「からかいすぎばい」
「たまには良いじゃねぇか。ヤキモチ妬かれるのも良いだろ」
「はぁ...」
三日月さんの部屋の前まで来たけど、なんて声をかけたら良いだろう...
もう、私に飽きちゃったのか
本心を聞くのも怖いと思う自分も居る
勢いで走って来たが
やっぱり、このまま何も知らない方が良いかもしれない
部屋に戻ろう
[A?]
『み、三日月さん!?』
バッタリ会ってしまった!
[俺の部屋の前でどうした?]
『いや、その...』
[俺に会いに来たのではないのか?]
『そうですけど...』
[ちょうど、そなたに会いに行くつもりだった。立ち話もなんだ。部屋に入ろう]
『は、はい』
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2021年1月3日 9時