第83話 ページ36
私が審神者を辞める？
「それが貴女に唯一出来ること。邪魔なのよ。見習いの時から政府からちやほやされて次の世代の1番だなんて...世代交代なんてさせないわ。トップは私なんだから！だから、消えてちょうだい？」
『そんなこと出来ません！』
「どうして？」
『この本丸を、みんなを見捨てることなんて出来ません！』
「心配いらないわ。貴女が辞めたあと、私が折ってあげる」
『...っ！！』
パシンッ！
私は審神者の言葉にカッときて頬を叩いてしまった
『それが審神者の言う言葉ですか！最低です！』
「貴女...私を打つなんて、どうなっても知らないわよ！」
『今の言葉、撤回して下さい！私のことはどう言おうと構わない！だけど、刀剣男士を自ら折るだなんて許さない！』
「貴女もなかなかの最低じゃない」
『わかっています。でも、過去はやり直せない！だから、私は前を向いていきます！三日月さんのことも背負いながら審神者をやっていきます！』
「ふん。よく言えた立場ね。顔、冷やしてくるわ」
『....』
やってしまった...
「あら、三日月さん。立ち聞き？」
『えっ...』
[....]
『き、聞いてたんですか...』
[すまない。そなたが気になってな]
「ふふ。これが貴方が心配する審神者の姿よ！あははは！」
[はっはっは。そうかそうか]
『....』
[それがどうした？]
『えっ...』
「は？貴方、なんとも思わないの！？正気！？」
[誰にでも過ちはある。過去はやり直せない。だが、俺が見ているのは今のそなただ]
『三日月さん...』
「今の、この子がいいの？なら、教えてあげるわ。この子は昨日、三日月と＿＿」
[だから、なんだ？]
「...っ！どうして動じないのよ！？」
[俺が同じ立場でも、同じことをするだろう。昔、愛したものを前にして何も思わないのも無理はない]
『....』
「貴女のところの刀剣男士は正気なの！？バカなの！？」
『三日月さんを悪く言わないで下さい！正気じゃないのは審神者様、貴女です！』
「もういい。帰らせもらうわ！」
『審神者様！』
「そうだ。忘れ物よ！」
パシンッ！
『...っ！』
「さっきのお返しよ！このことは政府に報告させて貰うわ！」
[A！大丈夫か！？]
『....』
「今、冷やすものを＿＿」
『行かないで...』
[...っ！]
「今だけで良いから傍に居て」
[あぁ。ずっと傍に居よう]
『ありがとうございます』
「.....」
「三日月、私は先に帰るわ。後は好きにしなさい」
「わかった」
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
