第77話 ページ30
広間に行くとみんなが待っていた
「A！」
「もう大丈夫なの？」
『最後の最後に心配かけてごめんなさい』
「倒れたって聞いた時は驚いたぜ」
「本当だよ。心配したんだから...」
『ごめんなさい』
「でも、無事で良かったよ」
この本丸のみんなは優しいな...
「さぁ、ご飯食べよう！今日は最後の日だから豪華にしたよ！」
『ありがとうございます』
「さすが、みっちゃん！」
「たくさん食べてね」
『はい！いただきます！』
「Aが居なくなると寂しくなるな」
「そうだね」
「今回は記憶を思い出す為に来たけどさ、次は普通に遊びに来なよ」
『...そうだね』
また、みんなに会いたいけど
審神者様が許すだろうか
刀剣男士と見習いの時に恋仲になっていた
そして、全てではないがそのことを思い出した
私と三日月さんを二度と会わすことはないだろう
でも、もし今回この記憶を思い出すために計画を経てたのだとすると、審神者様は一体どういう考えだったのだろう...
審神者様の目的が分からない
夕飯を食べ終えたあと、みんなと遊んだり話をしたりした
審神者様が居ないと、みんな自由だ
私の本丸も、みんな自由に過ごしているのかな
明日、聞いてみよう
『3日間、あっという間だったな〜』
「そういえば、結局何か思い出せたの？」
『え？』
「記憶」
『それが、あんまり..』
「そっか」
あのことは
他の刀剣男士には言ってはいけないだろう
これは三日月さんと私との問題だから
みんなと話していたら日付が変わっていた
楽しい時間は早く過ぎてしまうものだな...
『三日月さん。起きてますか？』
「何か用か？」
『これ、お菓子のお裾分けです』
「わざわざ持ってきたのか？」
『はい。美味しかったので、三日月さんも喜ぶと思って』
「...宴は楽しかったか？」
『はい。三日月さんも来たら良かったのに』
「それは難しいな」
『え？』
「お主が他の男と楽しそうにしているのを見るのは苦痛だ」
『苦痛？』
「仲間に嫉妬していてはお主も楽しめんだろう」
『嫉妬って...』
「俺はお主が思っているほど余裕がない。今もこうして2人で居ると恋仲だったら頃を思い出す」
『私と三日月さんが恋仲だったなんて信じられません』
「ならば、改めて教えてやろう。俺がお主をどれだけ愛していたかを...」
『えっ...あ、あの...』
「夜に男の部屋に来て、ただでは帰さんぞ？」
『...っ！』
「じじいを甘く見るな。俺も男だ」
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
