とある本丸の新人審神者は記憶が曖昧なようで (ページ24)

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第71話ページ24

『はい！Aです』

「調子はどう？」

『本丸の方は何も問題ありません。ただ、記憶は思い出せずのままでして...』

「そう。残念ね」

『せっかく機会を頂いたのに、すみません』

「まだ日はあるから焦る必要ないわ」

『あの、みんなはどうしてますか？』

「寂しそうにしている刀剣男士もいるけど、特に問題はないわ」

『そうですか...』

「それより...三日月は、どう？」

『えっ！？』

「三日月が近侍でしょ」

『あ、あぁ...』

さっき、あんなことがあったから
三日月さんの名前で動揺してしまう

「三日月、最近上の空だったから」

『特に変化はないかと...』

「なら良いわ。それじゃ」

『はい。失礼します』

「...私に嘘つくなんてね。生意気な子」

『はぁ...』

「電話は終わったか？」

『み、三日月さん！？』

「先程はすまなかった」

『え？な、何がですか？』

「お主に触れてしまったことについてだ」

『あ、あまり女性に軽々しく触るのはどうかと...』

「...以前にも、同じことを注意されたことがあった」

『え？』

「何も知らない俺に教えてくれた。やはりお主、あの時のおなごではないか？」

そんなこと聞かれても...

『すみません。私は覚えてないです』

「そうか...」

三日月さんが思い出す記憶が正しいのならば
私と三日月さんは、どういう関係なのだろうか

見習いと近侍？
それとも...まさかね

夜、本丸のみんなから電話がかかってきた

お昼に私と審神者様が話しているのを見て
審神者様にお願いし、電話を借りたようだ

みんなの声を聞くと安心するし、自然と笑顔になれる

ここのみんなも良い刀剣男士ばかりだけど、記憶を思い出す為に来ていると思うと気が重くなる
実際、まだ何も覚えていない

来る意味があったのだろうか...

「かえってきたらあそんでくださいね！」

『もちろん！』

「きみが居ないと、驚きが足りない」

『もう、帰ってきたら驚かせるんでしょ？』

「あんたが居なかったら、この本丸は静かすぎる」

『それ、私がうるさいように聞こえるんだけど？』

「寂しいんだよ。素直じゃないよね」

「なっ！」

『ふふ...』

「帰ってきたら、きみの好きな料理作るね」

『ありがとう！』

「では、お帰りをお待ちしております！」

『うん！』

「あっ！充電がない！」

「まだ話したいことあるのに！」

プープー...

『あはは。賑やかだな...』

早くみんなのところに帰りたいな