第69話 ページ22
みんなとご飯を食べる
この光景はうちの本丸と同じだからか落ち着く
いつもなら両隣に初期刀の山姥切とその日の近侍が居るが
今日は加州と三日月さんだ
この２振りは、うちの本丸にも居るからか隣に居ると安心感がある
のだが...
三日月さんの視線が気になる
『あの、なんでしょうか？』
「いや、美味そうに食べているからな」
『だって、実際に美味しいですし』
「ありがとう。そう言って貰えると嬉しいよ。ね、歌仙くん？」
「そうだね」
「当たり前のように食べているせいか、"美味しい"だなんて口にしてないよね」
「確かにそうかも...」
「作る側として、"美味しい"って言ってくれたり食べてくれることが1番嬉しいということを久しぶりに思い出したよ。ありがとう」
『そんな！お礼を言われるほどじゃないですよ』
「良ければ、夜ご飯に君の好きな食べ物を作らせてくれないかな？」
『私の好きな食べ物より、燭台切の得意料理が食べたいかな』
「そっか。じゃあ、自信作をたくさん作るよ」
「よし！じゃあ、みっちゃん！俺も手伝うぜ！」
「ありがとう。貞ちゃん！」
「もちろん、伽羅もな！」
「馴れ合うつもりはない」
「せっかく伊達が絡んでいるんだ。俺も手伝おう」
「ありがとう！鶴さん！」
「任せろ！驚きの料理を作ってやる」
「派手にいこうぜ！」
は、派手に...
驚きの料理とは、一体どんなものなのだろう
ロシアンとかなら勘弁してほしいな...
いや、楽しそうにしてるし、ここは何も言わず任せよう！
『楽しみにしてるね』
「うん！」
「なんか久しぶりに賑やかな食卓だね」
『そうなの？』
「特に深い意味はないけどさ...」
私のところは、日常茶飯事こんな感じだけど
普段はもう少し落ち着いてるんだな...
「Aが来てから、この本丸は賑やかだね」
『そうかな？賑やかになる要素はないけどね』
「ずっと此処にいれば良いんじゃない？」
『え？』
「...最近の主、様子可笑しいんだよね」
『審神者様の様子が可笑しい？体調でも悪いんですか？』
「そういうのじゃなくて、何を考えているか分からないんだよね」
『そうなんだ...』
「近侍なのに情けないよ」
『全てを理解することなんて誰も出来ないよ。加州は悪くない』
「A...」
『加州はよく頑張ってるよ』
「ありがとう。A、良い審神者になったね」
『そ、そうかな？』
「仕えてみたかったな...」
『え？』
「なんでもない」
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
