第62話 ページ14
さっきまで話していた三日月さんが急に何かを考えているのか黙っている
どうしたんだろう？
「お主とは初めて会った気がしない」
『え？』
「何処かで...」
[A]
『あっ！三日月さん！もう、探しましたよ』
[すまんすまん]
「A...」
[その者はどうした？俺と同じ三日月宗近だが、まさか俺と間違えたのか？]
『違いますよ。三日月さんを探すの手伝ってくれたんです』
[そうか。世話をかけたな]
『助かりました』
「なに、暇潰しにもなったからな」
「三日月。此処に居たのね」
「主」
「あら、Aちゃん」
『えっ。こちらの三日月宗近の主は審神者様の刀剣男士だったんですか？』
「そうよ」
じゃあ、見習い期間中に出会ってたんだ
「三日月のこと覚えてないの？」
『記憶が曖昧で...』
「俺もだ」
「貴女達、仲良かったのよ」
『そうだったんですか』
「嫉妬しちゃうぐらいにね」
でも、そんな三日月さんのことを覚えてないんだよね...
[さて、Aよ。そろそろ約束のでーとに行こう]
『あっ、そうでしたね』
「デート？」
『ただのお出掛けです。本丸に居るみんなにお土産を買いに行こうと思ってて』
「そう。恋仲なのかと思ったわ」
『こ、恋仲！？』
[はっはっは。どうだろうな]
『意味深な言い方しないで下さい！』
[はっはっは。では、行くか]
『では、失礼します』
[せっかくのでーとだ。手を繋ぐとするか]
『そ、そうですね』
「あの2人、お似合いね」
「....」
「三日月？」
「主よ。俺に何か隠し事をしていないか？」
「なんのことかしら？」
(俺は大事なことを忘れてる気がする)
近くのお土産屋さんに向かうと会場から近いからか、同じ考えをした審神者が刀剣男士と店に来ていた
さっきも凄かったけど、こういった店に来ると
刀剣男士とバスツアーで旅行に来ているみたいだ
『よし、お土産はこれぐらいで良いかな』
[たくさん買ったな]
『本丸に戻りましょう』
[...名残惜しいな]
『名残惜しい？』
[このまま帰ればそなたは、また皆のものになる。ならばもう少し独り占めしたい]
『えっ...』
[ダメか？]
『だ、ダメじゃないですけど、三日月さんがそんなこと言うだなんて意外です』
[俺はいつも思うていたぞ。皆と共に居るのも良いがそなたとこうして2人きりになりたいと...]
『三日月さん...』
[すまない。困らせてしまったな]
『い、いえ』
私はまだまだ刀剣男士のことを分かってないんだな...
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
