第59話 ページ11
会場に着くと見慣れた刀剣男士がたくさん居た
本丸に居るみたいだ
『同じ刀剣男士が何振りも居ると不思議ですね』
同じ刀剣男士が話したらどうなるんだろ？
興味あるな
[Aよ]
『何ですか？』
[じじいは構ってくれないと寂しくなる]
『はい？』
三日月さんは何を言い出すんだ...
『それは、どういう？』
[他の奴ばかり見ているではないか]
『そ、そんなこと...』
[他の奴に目移りするのはいただけんな]
『め、目移りって』
[そなたの刀は俺だ。俺だけを見ていれば良い]
『...っ！』
[良いな？]
『はい』
今日の三日月さん、どうしたんだろ？
こんなこと本丸では言わなかったのに
あっ！そういえば、栞さんと約束してたんだ！
『三日月さん、会いたい人が居るんですけど』
[...男か？]
『ち、違いますよ。栞さんです』
[あぁ。そなたの友達か]
『はい』
[では、行くか]
一瞬、顔が変わった
もし、男性だったらどうしてたんだろ？
いや、聞くのは止めとこう
『栞さん！』
「Aちゃん、久しぶり」
『お久しぶりです』
栞さんとはLINEでやりとりしていたが、直接会うのは見習いの卒業式以来かもしれない
栞さんの隣には近侍の山姥切国広が居る
「山姥切。前に話していたAちゃんだよ」
[あんたが主の友達か]
『は、初めまして。櫻木Aです』
[山姥切国広だ]
不思議だ
うちにも山姥切が居るが同じ刀剣男士でも少し違う
[なんだ。ジロジロと...]
『あっ、すみません』
「もう...山姥切」
『えっと、私の近侍は＿＿』
あれ！？
三日月さんが居ない！？
[うむ。これはなかなかだな]
って！
三日月さん、用意されているスイーツ食べてる！
『ちょっと！三日月さん！』
[ん？友達には会えたか？]
『紹介しようと思ったら隣に居ないしビックリしましたよ』
[すまんすまん]
『はぁ...』
「三日月宗近...」
[どうした？]
「う、ううん」
(そっか。三日月宗近が顕現したんだ...でも、その三日月宗近はAちゃんが想っていた三日月宗近とは違うんだよね)
『栞さん、お待たせしました。交代制だから近侍は固定じゃないんですけど...』
「あ、あぁ...Aちゃんの所は交代制だって言ってたね」
『はい』
[三日月宗近だ。よろしく頼む]
「こちらこそ」
『何処か行くなら声をかけてからにして下さいね』
[次からそうしよう]
(Aちゃんの想っていた三日月宗近とは違う。だけど、三日月さんには好意があるかもしれない)
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
