陽の目にも涙【巴日和】 (ページ21)

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コンビニで買い物をしていた時、雑誌売り場でとある雑誌に目が釘付けになった。

「え」

表紙は日和君。裸で女性の人と抱き合っている表紙だった。

いわゆるグラビアで、私はとりあえずそれを購入した。

日和君がグラビアなんて珍しいと思っていたけど、日和君とは成人する前からの付き合いだからそう思うだけか。

私はマネージャーの家に帰って、その雑誌を開いた。

そして雑誌の中身を見た後、こんなもの買うんじゃなかったと後悔した。

「最悪だ」

日和君と一度も行為がなかったわけではない。

むしろ日和君はスキンシップは多めで愛されている自信はあった。

でも、こうやって別の女の人とベタベタとくっついていたり抱き合っていたりするのを見るのはいい気がしない。

雑誌をポイと放って、台本を読み始めた。

＿＿＿

Edenの打合せ前のことだった

「おひいさん、これ」

ジュン君が見せてきたのはSNSに投稿されている写真で、よく見れば変装しているAちゃんだった。

投稿内容は「これ花橋Aだよね？メガネしてるのめっちゃ可愛い！」とのことで、僕はジュン君が何を言いたいのかイマイチピンときていなかった。

「何が言いたいんだね？」

「手元見てくださいよ」

ズームにしてAちゃんの手元を見れば、どこかで見たことのある裏表紙。

「あ“！」と僕らしくもない声が出て、急いでAちゃんに電話をかける。

「もしもしAちゃん？」

『もしもし？こんな昼間に電話かけてくるなんて珍しいね』

「そのことなんだけどね。もしかして僕のグラビアみた？」

『うん、みた。カッコよかったよ』

かっこいいよ、と口で言いつつ多分感想はそれだけではないだろう。

「女の人と抱き合ってたんだけど」

『...最悪だった。これから台本覚えないといけないのに、とんでもないもの見ちゃったってすごいやな気分。なんでグラビアなんてしちゃうのって言いたいけど、私もキスシーンとかあるし何も言えないや』

一息で全て言い切ったAちゃん。どうやら嫉妬してくれたみたいで嬉しかった。

「もうグラビアはやらないね。それに、今回の撮影も渋々だったからね」

『乗り気だったら離婚したよ』

「ありえないね！悪い日和！」

そういえばAちゃんはクスクスと楽しそうに笑ってくれる。

そうして「そろそろまた一緒に生活したい」と珍しくワガママを言ってくれる。

「茨に聞いてみるね。オッケーがでたらその日にAちゃんを迎えに行くね」