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Aside
イルミ=ゾルディックは今年で25歳になるゾルディック家長男。
家業の暗殺をしていて、(私はよく知らないけど)腕がいいらしい。
でも、イルミは私に色々なものを買ったり、食べさせたり、無償に私を甘やかしてくれる。
まるでもう他界した親達の代わりみたいで、
一回「イルミってお父さんみたい」って言ったら、何故か酷くショックを受けたみたいで
部屋の隅っこで体を縮み込ませて俯いていたのを覚えてる。
普段無表情だからハッキリとした心情は読めないけど、私の前ではぐっすり眠ってたり、
殺し屋としての危機感や緊張感とかいうものがないらしくて、少し嬉しかったりする。
それにしてもそんなイルミからの視線が痛い。
イルミに背を向けていてもわかる程度には視線を感じる。
別に気になるんなら話しかければいいのに、見つめられるだけじゃあこっちも困るよ。
私は思わずため息をつきたくなって頭を手で押さえた。
すると、ちょうど男の子に話しかけられた。
「そのジュース、あんた飲むの?」
銀髪の少年。歳はまだ十代前半だろう。私はそんな少年の問いに答える。
「や、飲まないけど、もしかしてこのジュースいる?」
すると、少年は少し笑った。
「それ、毒入りジュースだよ。何か考えがあって飲まなかったんじゃなくて、
ただ飲みたくなくて飲んでなかったんだな。運いいなアンタ。」
「はぁ‥?あのおじさん毒入りジュースなんて配ってたの。
他の人にも配ってるみたいだったし、34回落ちたからって
新人潰すのも大概にすればいいのに。」
私がウゲっとジュースを捨てると、少年はまた少し笑った。
「アンタはハンター志望なの?」
「どちらかといえば薬剤師かな。ハンターはその二の次とかいうそれで…」
「へぇ、薬剤師ね。アンタ名前は?あと歳。」
「私はA=グレース。18歳。君は?」
「俺はキルア。12歳。」
キルアか。なんか聞いたことある名前だなぁ。
「ファミリーネームは?」
「ゾルディックだけど」
ゾルディック。あ、わかったわかった。イルミの弟だ。
「俺の弟のキルアはもう既に殺し屋としての素質があって」って、
前にイルミが話してた気がする。私はイルミとミルキとキキョウさんとしか
会ったことないし、ましてや今面識があるのはイルミだけだし、
ゾルディック家のことはあんまり知らない。
キルアは髪の色も目の色も、イルミやミルキやキキョウさんとは違うし、
お父さん似なのかな?
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豚バラ - 読んでみたらメッチャ面白い!読んでてワクワクします! (2019年12月13日 21時) (レス) id: 61753fbb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年11月20日 0時