夢が開花するとき、その色を。

ゲーマーの困惑 〜茅ヶ崎至〜 ページ4

終える頃にはゲーム機の周りを老若男女が集まっていた。

いや、老ってほどの老はいないけど。

「何、Aって実はダンサー？？？」

「違う…」

何人もの人々が、彼女の踊りに目を奪われていた。

そんなことはなかったかのように、何やりたいの、と俺に聞いてくる。

聞いてきたわりに、すみっこ●らしのクレーンから動こうとしない。

かと思えば俺をじっと見つめて、取れと訴えかけている。

取ってやれば、今度こそ何がやりたいか聞いてきた。

さっき、俺の目の前で完璧に踊っていたAが嘘みたいに思える。

「うーん…謎だ」

「…？」

俺が首を傾げると、彼女も首を傾げていた。

オウム返しか、とも思ったが面白いので良しとしよう。

Aは俺のやりたいシューティングゲームにも付き合ってくれた。

もちろん欠かせない太鼓の●人もやった。

何より驚いたのはアイ●ツをやりたいと言い出したときだ。

カードめっちゃ持ってた。

彼女にはゲームのセンスもあるのか、なんて思ったり。

帰る頃には、俺もAも想定以上に楽しんでいた。

また、２人で来ても良いかもしれない。

ぬいぐるみを抱えているAを見ていると、不思議とそう思った。

2019/11/07

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