病室の歌声 ２ 【男主】

＊27＊ ページ5

Aside

それから病院探索は1週間ほど続いた
最後は屋上だった

屋上へ行くには
階段を上らなきゃいけない

すぐ発作が起きる僕には難しかった場所

だからここにくるのは初めてだ

涼太「階段が続くからきつくなったらすぐ言えよ」

A「わかった・・」

正直不安だった
涼太に迷惑かけたくないし
発作は苦しいからいやだし・・

・



・



・

A「はぁ・・・・はぁ・・・・・」

少し息があがってきた

階段はふつうの道より
体力を使うから・・・

ずっとベットの上にいた僕には
階段はきつい

でも、ここでやめたらだめだな・・・

もう少しと信じて
一歩一歩進んだ

・


・


・

そろそろやばくなってきたかなってとこで

涼太「ほら、着いたぞ」

久しぶりに吸った
外の空気を

あんなに憎くてたまらなかった世界が
今僕には感動を与える

気付けば涙がでていた

涼太「Aみろ・・っ！！
　
　 だ、大丈夫か？」

僕は黙ってうなずいた

ここまで連れてきてくれた
涼太に感謝しなきゃな・・

アリガトウ

涼太・・・

僕はあんなに苦手だった歌を
夢中で歌った

なにも考えないで歌った

久しぶりに歌った歌は

とても気持ちが良かった

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